割り切れる回数② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

「連続する整数の積が●で何回割り切れるか」という割り切れる回数を問う定番問題の今年の出題例です。

 

整数を、ある数で何回も割っていく計算を考えます。例えば、24を2で何回も割っていくと次のようになり、2で4回割ったときに、はじめて商が整数でなくなります。このとき、24は2で最大3回割り切れるということにします。
このとき、次の問いに答えなさい。(高田中2024)
⑴ 1から10までのすべての整数をかけた数は、2で最大何回割り切れますか。

 

右矢印 2で割り切れる回数を求めるには2のかけ算(×2)が何個ふくまれているかをしらべればよい。

  • 1から10までの数に2のかけ算(×2)が何個ふくまれているかを数えていくと、2に1個、4(=2×2)2個、6(=2×3)1個、8(=2×2×2)3個、10(=5×2)1個ある。これを表にすると(「×2」の個数を〇の個数であらわすと)下図左のようになりこの〇の数の合計が割り切れる回数となる
  • または左の表を毎回作るのは大変なのでかわりに右のようなすだれ算でわり算をくり返していく(途中あまりが出たときは切り捨てる)。すると青の数字の和が割り切れる回数となる

よって 5+2+1=8回

 

⑵ 2012から2024までのすべての整数をかけた数は、4で最大何回割り切れますか。

 

右矢印 2012から2024までのすべての整数をかけた数が4で最大何回割り切れるかは

 ❶1~2024の積が4で割り切れる最大回数

 ❷1~2011の積が4で割り切れる最大回数

としたとき❶-❷で求められる。

 

そして❶❷を求めるには(4=2×2より)まずは2のかけ算(×2)が何個ふくまれているかをしらべる。

そこですだれ算で2024と2011を2で割りつづけると

すだれ算の結果をふつうにタテに合計していってもいいが(そうすると❶2017個、❷2002個とわかる)ここで求めたいのは❶と❷の差だけなので横の列ごとに出た差を合計するのが断然早い(上図右)。すると

 7+4+2+1+1=15

だから2012~2024の積は2で最大15回割り切れるとわかる。

 

よって(15÷2=7…1より)4で割り切れる最大回数は7回

 

⑶ 2000から2024までのすべての整数をかけた数は、12で最大何回割り切れますか。

 

右矢印 12=4×3なので

 ア、2000~2024の積が4で割り切れる回数

 イ、2000~2024の積が3で割り切れる回数

をそれぞれ求める。その少ない方の回数だけ4×3のペアができるから、その少ない方の回数が12で割り切れる最大回数となる(過去記事「0が何個続くか②」などと同じ考え方)

 

ア、2000~2024の積が4で割り切れる回数

小問⑵と同じように考えて
 ❶1~2024の積が4で割り切れる最大回数
 ❷1~1999の積が4で割り切れる最大回数
としたとき❶-❷で求められる。

 

そこで2024と1999を2で割りつづけると

横の列ごとの差を合計すると
 13+7+4+2+1=27
だから2000~2024の積は2で最大27回割り切れる。

つまり(27÷2=13…1より)4で最大13回割り切れる。

イ、2000~2024の積が3で割り切れる回数

つぎに2024と1999を3で割りつづけると

横の列ごとの差を合計すると8+2=10だから2000~2024の積は3で最大10回割り切れる。

 

よって(4で最大13回、3で最大10回割り切れるので4×3のペアだと最大10回割り切れるから)12で割り切れる最大回数は10回 完了