割り切れる回数 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

あまりではなく商の方に注目して「何回割り切れるか」という割り切れる回数を求めさせる問題もよく出ます。次のような問題です。

 

  割り切れる回数①(普連土2020算数)

 

A=21×22×23×…×158×159×160としたとき、Aは7で何回割れるか答えなさい。

 

右矢印 「Aは7で何回割れるか」という問題文は「21から160までの整数を素因数分解したときに『×7』が何回現れるか」と読み替えることができる。

 

Aは21から始まる整数の積だが、いったん1から160までの整数の積として考える。すると
 7の倍数…160÷7=22(あまり6)→22個
 49の倍数…160÷49=3(あまり13)→さらに3個

の合計25個の『×7』があることがわかる*。

よって、1から20までにある2個の『×7』を引いて23回

 

 

*の部分は、理屈を理解したあとは、すだれ算を使うのがオススメです。あまりは無視して、7で割り続けたときの商部分だけの合計を取ることになります。

 

 

  割り切れる回数②(甲陽学院中2020第2日)

 

ある整数が3で何回割りきれるかを考えます。例えば、36を3で割ると割り切れて商が12となり、12を3で割ると割り切れて商が4となり、4を3で割ると割り切れません。このとき、36は3で2回割り切れるということにします。同じように考えると、1から10までのすべての整数の積 1×2×3×4×5×6×7×8×9×10は3で4回割り切れます。

⑴ 1から27までのすべての整数の積1×2×3×…×27は3で何回割り切れますか。

 

右矢印 13回

 

⑵ 1からNまでのすべての整数の積 1×2×3×…×N が3で115回割り切れるとき、Nとして考えられる整数をすべて求めなさい。

 

理論的な解法もありそうですが、ここはすだれ算を使っていろいろ実験しながら解いてみます。

 

右矢印 27までで13回割り切れたことをヒントに、これを10倍した270だと割り切れる回数も10倍の130回くらいになるのではと見当をつけてすだれ算をしてみると、3段めに入った時点ですでに合計120となり「115」を超えたので、もう少し小さくしてみる。

 

まるい数字240で次にためしてみるとタテの合計116となり「115」にあと1まで近づいた。

 

あと1へらすには全体も1へらせばいいのかよくわからないまま、とりあえず239でためしてみると

とたしかに合計「115」になった。

 

ほかにも合計115になるものがないかと考えてみると、3で割った商が79になる数であれば(あまりは関係なく)タテの合計は必ず115になる。

 

つまり、238(÷3=79…1)と237(÷3=79…0)でも合計115になる(が236になると236÷3=78…2となり合計114にへってしまう)。

  

 

よって、条件をみたすNは 237、238、239 完了