立体図形の分野で「積み木問題」というカテゴリーがあります。
投影図(平面図)から個数をあてるもの、穴があけられたり切断されたりしたものの個数や体積を求めさせるものなどもありますが、今回取り上げるのは色を塗ってバラバラにする積み木問題です。
1辺が1㎝の立方体を床の上にすき間なく積み上げて、図のような4段に積み上げた立体を作る。同様に、5段に積み上げた立体、6段に積み上げた立体も作る。このとき、次の問いに答えなさい。(金蘭千里2022後期)
⑴ 4段に積み上げた立体の体積を求めなさい。
図を参考に、「4段に積み上げた立体」には、一番上に1コ、上から2段めに4コ、3段めに9コ、一番下に16コの立方体があるので合計30コ。
「1辺が1㎝の立方体」なので1コの立方体は1㎤より 30㎤
⑵ 5段に積み上げた立体の表面すべてを絵具でぬるとき、ぬられた部分の面積を求めなさい。ただし、床に接している面はぬらないものとする。
ここから先は参考にする図がついていないので、三次元(立体図)を二次元(平面図)に自分で変換するイメージ力が必要になります。
まずは上、前、右から見た平面図を書いてみる。
上下、前後、左右の3つに分けて面積を計算すると
上下…25㎠×1面=25㎠(「床に接している面はぬらない」ので下はゼロ)
前後…15㎠×2面=30㎠
左右…15㎠×2面=30㎠
これらを合計して 85㎠
⑶ 6段に積み上げられた立体の表面すべてを絵具でぬるとき、ぬられた面が1面以下であるような立方体はいくつありますか。ただし、床に接している面はぬらないものとする。
「ぬられた面が1面以下」の立方体なので、❶0面のものと❷1面のものとに分けて調べる。
❶0面のもの(上から見た図で考える)
完全になかに隠れた立方体をさがせばよい。これは上から2段めまでにはなく、3段めから次のように見つかる。その合計30コ。
❷1面のもの(左から見た図と後ろから見た図で考える)
表に出ているのが1面だけのものをさがせばよい。これは上下と前と右から見える範囲にはなく、左側と後ろ側に次のように見つかる。その合計20コ。
以上の合計で、「ぬられた面が1面以下であるような立方体」は50個
別解
次のようにぜんぶの立方体にぬられた面の数を書いていく方法を教わることが多いはずですが、これだとムダな作業が発生する(2や3は不要)ため時間がかかりすぎてしまう。
習い始めはしかたないとしても、入試本番までには最短時間で解ける方法(たとえば上記のような)を自分なりに確立しておきたいところ。そのためにも問題文から立体を正しく再現する力を少しずつきたえていくことが求められます。