やっぱり便利な「角の二等分線の定理」② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

角の二等分線を題材とする問題にもいくつかのパターンがありますが、たいていの問題はこれを知っていると瞬殺できてしまうという便利な公式が「角の二等分線の定理」です。

たとえば次のような形で出題されています。

 

  交点までの長さを求める(開智日本橋2020特待)

 

図1のような三角形ABCの頂点Aから角BACを二等分する線を引き、辺BCとの交点をDとします。BDの長さは何㎝ですか。

右矢印 角の二等分線の定理よりBD:DC=20:12=5:3なので BD=28×17.5㎝

 

 

  面積を求める(法政二中2019第2回)

 

右の図のようにAB=5㎝、AC=4㎝、∠A=90°の三角形ABCがあります。線分ADは辺ABと辺ACがぴったりと重なるように折ったときに出来た折り目です。三角形ABDの面積は何㎠になりますか。

 

右矢印 直角三角形ABCの面積は 5×4÷2=10㎠。

ここで角の二等分線の定理よりBD:DC=5:4なので、辺の比と面積比の関係より

  △ABD=10× ⁵⁄₉  ⁵⁰⁄₉ ㎠

 

 

  二等分線の長さを求める(同志社女子中2017)

 

右の図のような直角三角形ABCがあります。ADの長さは何㎝ですか。

右矢印 △ABCは30°60°90°の直角三角形なのでAB:AC=2:1。したがって角の二等分線の定理よりBD:DC=2:1なので BD=10×⅔=²⁰⁄₃㎝

ここで角ABD=30°より△ABDは二等辺三角形でありAD=BDなので AD=²⁰⁄₃㎝