以前の記事の続きです。
四捨五入については小学4年生で習ったあとはとくに何もしていないという受験生も多いはず。優先順位からすれば当然そうなるところで深入りする単元ではぜんぜんないですが、入試問題でもそこそこ出題されているので最低限の理解ができているか次のような出題例で確認しておきたいところです。
がい数にする前のもとの数(佼成学園2023)
2つの整数の十の位を四捨五入すると、それぞれ200と500になりました。もとの2つの整数の差がもっとも大きくなるとき、その差は▢です。
「十の位を四捨五入」したとき
- 200になる最小の数は150
- 500になる最大の数は549
だから 549-150=399
たし算と四捨五入(神奈川大学附属2023第3回)
7.48にある数をたして小数第2位を四捨五入したところ、8.6になりました。ある数は▢以上▢未満です。
「小数第2位を四捨五入した」とき8.6になる数は8.55以上8.65未満。
これは「7.48にある数をたし」たあとのはん囲だから「ある数」はここから7.48を引いて 8.55-7.48=1.07、8.65-7.48=1.17より
1.07以上1.17未満
わり算と四捨五入①(日出学園2023)
ある整数Nを23でわって、商の小数第1位を四捨五入すると8になりました。このような整数Nで最も大きい数は▢です。
「ある整数Nを23でわって、商の小数第1位を四捨五入すると8に」なるような最大のNのときその商は
N÷23=8.4999…
そこでいったん N÷23=8.5 として考えると
23×8.5=195.5 だから N<195.5
これをみたす最大の整数は 195
わり算と四捨五入②(日本女子大学附属2023第2回)
整数Aを7でわり、その商の小数第1位を四捨五入すると10になります。このとき整数Aとして考えられるもののうち、最小の数と最大の数はそれぞれいくつですか。
「整数Aを7でわり、その商の小数第1位を四捨五入すると10に」なるのだから
- 商が最小となるのは A÷7=9.5 のとき。とするとA=9.5×7=66.5 より66.5以上の最小の整数を考えればよいので A=67
- 商が最大となるのは A÷7=10.4999… のとき。いったん商を10.5として考えると A=10.5×7=73.5 より73.5未満の最大の整数を考えればよいので A=73
よって
最小の数は67、最大の数は73
わり算と四捨五入③(女子学院2023)
下の▢には数を、🔲には漢字を1文字ずつ入れなさい。
①小数第2位を四捨五入して5になる数の範囲は
▢🔲🔲で▢🔲🔲です。
4.95以上で5.05未満
②ある整数を0.4で割った商の一の位を四捨五入すると5000になり、同じ整数を6で割った商の小数第1位を四捨五入すると334になります。
このような整数をすべてあげると▢です。
「一の位を四捨五入すると5000に」なる数は4995以上5005未満。これが「0.4で割った商」だからある整数は
4995×0.4=1999以上、5005×0.4=2002未満
これにあてはまる整数は1999、2000、2001の3つあり、このうち「6で割った商の小数第1位を四捨五入すると334に」なるものを調べると
1999÷6=333.16…
2000÷6=333.33…
2001÷6=333.5
よって ▢=2001
分数と四捨五入(洛南高等学校附属2023)
分数 を小数に直し、小数第2位を四捨五入すると0.2になります。にあてはまる整数は全部▢個あります。
「小数第2位を四捨五入すると0.2に」なる数は0.15以上0.25未満。
このとき分数 は 97×0.15=14.55以上、97×0.25=24.25未満。
よってこれにあてはまる整数は15から24までの10個
がい数にすると500になる整数(吉祥女子2023)
次の問いに答えなさい。
⑴ ーの位を四捨五入すると500になる整数をすべて足すといくつになりますか。
「ーの位を四捨五入すると500になる」のは495以上505未満の数。
これにあてはまる整数は495から504までの10コだからその和は
(495+504)×10÷2=4995
⑵ ーの位を四捨五入しても500にならない整数のうち、十の位を四捨五入すると500になる整数は全部で何個ありますか。
「十の位を四捨五入すると500になる」のは450以上550未満の数。これにあてはまる整数は450から549までの100コ。
このうち10コはーの位を四捨五入すると500になる(小問⑴)からこれを引いた残りが条件に合う整数だから
100-10=90個
⑶ ーの位を四捨五入しても500にならない整数のうち、十の位を四捨五入すると500になる整数をすべて足すといくつになりますか。
小問⑴⑵より「ーの位を四捨五入しても500にならない整数のうち、十の位を四捨五入すると500になる整数」は①450~494の45コと②505~549の45コある。
とするとここで求めたいのは
(450~494の45コの和)+(505~549の45コの和)
でこれは
(450~549の100コの和)-(495~504の10コの和)
としても同じこと。これで求めると
- 450~549の100コの和は (450+549)×100÷2=49950
- 495~504の10コの和は小問⑴より4995
よって 49950-4995=44955