以前の記事に関連する話です。
円の転がり移動に関連してちょくちょく出題されるのが円の回転数の話です。知識があればまず正解できるが知識がなければまず間違えるという問題です。
今年の入試ではたとえば次のような形で出題されています。
次の問いに答えなさい。(三田国際2023)
⑴ 図1のように半径3cmの円を、直線上をすべることなく1回転させたとき、円の中心は何cm移動しますか。
円周と同じだけ移動するから 3×2×3.14=18.84㎝
⑵ 図2のように半径3cmの円AとBを用意し、円Bを動かないように固定します。円Aを円Bの周に沿ってすべることなくに転がします。円Aがもとの位置にもどるまでに円Aは何回転しますか。
小問⑴より円の中心がどれだけ動くかで回転数が決まるようだとがわかる。
そこで円Aの中心の動きに注目すると、円Bの円周(下図の赤の円)上ではなく、Bの中心から6㎝はなれたところ(黒の円)を1周する。
その長さは 6×2×3.14=37.68㎝
これは円Bの円周(3×2×3.14=18.84㎝)のちょうど2倍だから2回転する。
10円玉2枚を使うなどして一度自分の目で確認しておきたいところです。
⑶ 図3のように半径3cmの3つの円AとBとCがたがいにふれあっています。円BとCを動かないように固定し、円Aをその図形にふれながらすべることなく転がします。円Aがもとの位置にもどるまでに円Aは何回転しますか。
下図にあるように円Aが通る道はBとCの円を⅔周ずつ(赤の円弧)。このとき円Aの中心(=円Aそのもの)はその2倍の距離(黒の円弧)を動くからBとCの円のまわりを⁴⁄₃回転ずつすることとなる。
よって円Aはもとの位置にもどるまでにあわせて ⁸⁄₃回転 する