展開図から体積を求める③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

展開図から体積を求める問題の第3弾です。

 

  展開図①(桃山学院2023C)

 

下の図は、ある立体の展開図です。このとき、次の問いに答えなさい。

 

⑴ 面アの面積は何㎠ですか。

 

右矢印 面アの左右の面を見くらべると、底辺の差4㎝(=13-9)で面積の差30㎠(=60-30)ができている。とすると面積30㎠の網かけ部分の底辺は4㎝とわかりアの底辺は5㎝

よってアの面積は 30÷4×5=37.5㎠

 

⑵ この展開図を組み立ててできた立体の体積は何㎤ですか。

 

右矢印 台形を底面とする四角柱とみると

  • 底面は上底4㎝(=9-5)、下底8㎝(=13-5)、高さ5㎝だから底面積は (4+8)×5÷2=30㎠
  • 高さは 30㎠÷4=7.5㎝

よって 30×7.5=225㎤

 

 

  展開図②(日大藤沢2023)

 

次の図は、1辺の長さが6cmの立方体の展開図です。
この展開図を組み立てたあと、図の影をつけた部分を切り落とします。

⑴ 影をつけた部分を切り落としたとき、切り口の図形は次のうちどれですか。最も適切なものを記号で答えなさい。
 ア. 正方形   イ. 長方形   ウ. 平行四辺形   エ. ひし形

 

 

右矢印 赤の辺どうしが平行で同じ長さ、青の辺どうしが平行で同じ長さとなっている。

よってその切り口は の平行四辺形

 

⑵ 影をつけた部分を切り落としたとき、残った立体の体積は何㎤ですか。

 

右矢印 下の図のように切り離して2つの三角柱にすることで(三角柱や円柱でしか使えない)平均の高さが使えるようになる。すると

  • 手前の三角柱…底面積が6×6÷2=18㎠、平均の高さが (6+4+0)÷3=¹⁰⁄₃㎝ だから 18×¹⁰⁄₃=60㎤
  • 奥の三角柱…底面積は18㎠、平均の高さが (6+2+0)÷3=⁸⁄₃㎝ だから 18×⁸⁄₃=48㎤

よって 60+48=108㎤

 

もとの立方体(6×6×6=216㎤)がちょうど真っ二つに切られて上下で合同な立体ができていることに気づくことができれば 216÷2=108㎤とする方が簡単です。

 

  展開図③(明治大学付属中野八王子2023)

 

右の図は、1辺12cmの正方形から底辺12cmで高さ3cmの二等辺三角形を4つ切り取った図形です。これを組み立ててできる角すいの体積は何㎤ですか。

 

右矢印 この図の右下の¼部分(青)に注目する。この正方形を線にそって折ると例の「特別な三角すい」ができる。

  1. 正方形の展開図からできる「特別な三角すい」は底面の二等辺の長さと高さの比が1:2。本問の特別な三角すいの底面の二等辺は長さ3㎝だからその高さは6㎝
  2. 求める四角すいはこの特別な三角すいを4つくっつけた形だからその高さは6㎝。底面積は対角線の長さ6㎝の正方形だから 6×6÷2=18㎠

よって 18×6÷3=36㎤

 

 

  展開図④(夙川中2023第2回)

 

右の図はある立体の展開図です。

この展開図は、同じ大きさの正方形と同じ大きさの正三角形でできあがっていて、組み立ててできる立体は、立方体のすべての角を切り落とした形になります。この展開図を組み立ててできる立体の体積は▢㎤です。
ただし、組み立ててできる立体はへこみなどはないものとします。
※角すいの体積は ⅓× (底面積) × (高さ) で計算します。

 

 

右矢印組み立ててできる立体は、立方体のすべての角を切り落とした形」というヒントがあるように、この展開図を組み立てると次のように1辺2㎝の立方体から8つの角の三角柱(赤)を切りとった形になる。

よって求める立体の体積は

 2×2×2-(⅓×1×1÷2×1)×8=8-⁴⁄₃

 =²⁰⁄₃㎤ 完了