速さの一行問題③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

2023年に出題された速さの一行問題の第3弾になります。

 

  速さと比(獨協2023第3回)

 

太郎くんと次郎くんが学校を同時に出発し、太郎くんは分速108 mで、次郎くんは分速92mで歩いて駅に向かいます。太郎くんが駅に着いてから4分後に次郎くんが駅に着くとき、学校から駅までの距離は何mですか。

 

右矢印太郎くんは分速108 mで、次郎くんは分速92mで」 歩く。2人の歩く距離は同じだからかかる時間の比は速さの逆比で太郎:次郎=92:108=㉓:㉗

この差④が4分だから①=1分。とすると太郎くんは学校から駅まで㉓=23分かかったからその距離は

 108×23=2484m

 

 

  旅人算①(奈良学園2023)

 

家から□m離れたところに学校があります。学校から歩いて帰る花子さんを、お母さんは自転車で迎えに行きます。花子さんの歩く速さとお母さんの自転車の速さの比は5:7で、途中休むことなく一定の割合で進みます。花子さんが学校を出るのと同時にお母さんが家を出ると、家と学校のちょうど真ん中の地点より240m学校側のところで出会います。

 

右矢印 進んだ距離の比は速さの比と等しいから「花子さんの歩く速さとお母さんの自転車の速さの比は5:7」のとき、出会うまでに進んだ距離は花子が⑤で母が⑦とおける。このとき家から学校までの距離は⑫。

とすると「家と学校のちょうど真ん中の地点」は家から⑥のところだから家から⑦地点にいる母は真ん中地点⑥より①だけ学校側のところにいる。これが「真ん中の地点より240m学校側のところ」だから ①=240mより、家から学校までの距離⑫は

 240×12=2880m

 

 

  旅人算②(狭山ヶ丘高校付属2023)

 

船が岸ペきに向かって毎時76kmで進んでいます。岸ペきから6.5kmの地点で汽笛を鳴らしました。汽笛の音が、岸ペきはねかえって船にいる人の聞こえるのは▢秒後です。
ただし、音の速さは毎秒340mとします。

 

右矢印 船の速さ「毎時76km」は秒速¹⁹⁰⁄₉m(=76×1000÷3600)。

汽笛の音が、岸ペきはねかえって船にいる人の聞こえる」というのは、船と音が距離13km(=6.5×2)を反対方向に進むときの出会い算を考えればよい。

よって

 13000÷(¹⁹⁰⁄₉+340)=13000×⁹⁄₃₂₅₀=36秒後

 

 

  旅人算の利用(昭和学院2023)

 

1Lのペットボトルを120円で売っているスーパーがあります。同じペットボトルを年会費1000円支払うと会員価格105円で購入することができます。毎日1本ずつ購入するとき、会員になった方が得になるのは何日目からですか。ただし、会員となった日を1日目とします。

 

右矢印 単位を少し変えて「1000m先を行くAさん(分速105m)をBさん(分速120m)が追いかけるときの追いつき算」として考えてみると

 1000÷(120-105)=66.66…

より66分後にはまだAさんが先にいるが67分後にはBさんが追いこしている

 

よって問題文にもどると、66日目まではA(年会費1000円+会員価格105円)の方が大きいが、67日目からはB(1本120円)の方が大きくなるということだから、会員になった方が得になるのは 67日目 から 完了