速さの一行問題② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

速さの一行問題ということで今年の出題例としてほかに次のようなものもあります。

 

  速さと比(賢明女子2023B)

 

家から目的地までの道のりを車で向かいます。時速60kmで行くと予定より5分早く着きます。時速36kmで行くと予定より5分遅く着きます。家から目的地までは何kmですか。

 

右矢印 時速60kmで行くときと時速36kmで行くときをくらべると速さの比は60:36=5:3。距離が同じならかかる時間の比は速さの逆比で③:⑤


この差②が10分(「5分早く」と「5分遅く」との差)だから①=5分。とすると時速60kmで行くときにかかる時間③は15分だからその距離は

 60×15÷60=15km

 

 

  ダイヤグラム(清泉女学院2023)

 

妹は8時に家を出発して、1200m先の駅に一定の速さで向かいました。その後、姉が妹の忘れ物を持って、自転車で分速240mの速さで追いかけました。下のグラフはそのときの様子を表したものです。横軸は時間を表し、たて軸は家を出発してから進んだ道のりを表します。このとき駅から何m手前で姉は妹に追いつきましたか。

 

右矢印 グラフより妹は20分で1200m歩いている。

  1. 妹の速さは 1200÷20=分速60m。とすると姉が家を出た8時12分には 60×12=720m先を歩いていた
  2. この距離を「分速240m」の姉が追いつくのは 720÷(240-60)=4分後。このとき妹はさらに 60×4=240m進んでいる。

よって 720+240=960 より家から960mのところで姉は追いついた。これは1200-960=240より駅から240m手前

 

 

  3人の旅人算(開智中2023先端A)

 

A、B、Cの3人が、それぞれ一定の速さで同じ方向に歩きます。A、B、Cはそれぞれ1時、2時、2時30分に同じところから出発し、BはAに3時に追いつき、CはBに4時に追いつきました。
 CがAに追いついたのは▢時▢分です。

 

右矢印 問題文にある状況を整理すると

  1. B(2時出発)はA(1時出発)に3時に追いついた。Aが2時間で歩く距離とBが1時間で歩く距離が同じだからかかる時間の比はA:B=2:1
  2. C(2時30分出発)はB(2時出発)に4時に追いついた。Bが2時間で歩く距離とCが1.5時間で歩く距離が同じだからかかる時間の比はB:C=2:1.5=4:3
  3. 比合わせすると3人がかかる時間の比はA:B:C=8:4:3
したがってA:C=8:3だから、Aが⑧時間かかる距離をCは③時間で歩ける。この差は⑤時間。
とするとA(1時出発)はC(2時30分出発)より1.5時間早く出発しているから、この1.5時間を⑤時間としたときの③時間後にCはAに追いつく。
つまりCは出発してから 1.5÷5×3=0.9時間=54分後にAに追いつく。
よって 2時30分+54分=3時24分
 
 

  周期算との組み合わせ(晃華学園2023第2回)

 

華子さんは、スタート地点から10km先の目的地まで移動しました。はじめの3分は走り、次の3分は歩き、その後は3分ごとに走ることと歩くことを交互に繰り返しました。走る速さが時速8km、歩く速さが時速3kmのとき、目的地に着くまでに走った時間の合計を求めなさい。

 

右矢印はじめの3分は走り、次の3分は歩き、その後は3分ごとに走ることと歩くことを交互に」繰り返すから6分を1セットと考える。

すると

  • 「走る速さが時速8km」→3分走ると 8000m×3÷60=400m進む
  • 「歩く速さが時速3km」→3分歩くと 3000m×3÷60=150m進む

したがって1セットで550m進む。

 

 

そして目的地まで10km=10000mだから

 10000m=550m×18+100m

より

  • まず18セットを走るからここで 3分×18=54分走る
  • 残り100mは走る部分だから(走ると3分で400m進むので)ここで 3分×100÷400=¾分=45秒走る

よって走った時間の合計は 54分45秒 完了