以前の記事の続きです。
今年の入試問題から隣辺比(りんぺんひ)を使う図形問題です。
隣辺比①(桜美林2023午後)
下の図のように、三角形ABCの辺上に3つの点D、E、Fがあります。AD:DB=1:1、BE:EC=5:7、CF:FA=3:2で、三角形DEFの面積が145㎠のとき、三角形ABCの面積は何㎠ですか。
三角形ABCの面積を1としたとき隣辺比と面積比の関係より
- △ADF=½×⅖=⅕
- △DBE=½×⁵⁄₁₂=⁵⁄₂₄
- △FEC=⁷⁄₁₂×⅗=⁷⁄₂₀
3つを合計すると ⅕+⁵⁄₂₄+⁷⁄₂₀=⁹¹⁄₁₂₀
よって△DEF=1-⁹¹⁄₁₂₀=²⁹⁄₁₂₀ と「三角形DEFの面積が145㎠」より
145÷²⁹⁄₁₂₀=145×¹²⁰⁄₂₉=600㎠
隣辺比②(帝塚山学院2023)
右の図のような三角形ABCがあり、6個の点は各辺を3等分しています。三角形ABCの面積が18㎠のとき、色のついた部分の面積は何㎠ですか。
3つある三角形を上から反時計まわりに①、②、③とすると
隣辺比と面積比の関係より
- ①…⅓×⅓=⅑
- ②…⅓×⅔=²⁄₉
- ③…⅓×⅔=²⁄₉
3つを合計すると ⅑+²⁄₉+²⁄₉=⁵⁄₉
よって色のついた部分は全体の 1-⁵⁄₉=⁴⁄₉ で「三角形ABCの面積が18㎠」だから
18×⁴⁄₉=8㎠
隣辺比③(豊島岡2023第2回)
下の図のように、正六角形ABCDEFがあります。点P、Q、Rはそれぞれ辺AF、BC、DE上にあり、AP:PF=CQ:QB=ER:RD=1:2となる点です。このとき、
(正六角形ABCDEFの面積):(三角形PQRの面積)
を答えなさい。
正六角形の辺AF、BC、DEをのばした正三角形GHIを考える。
このときAP=CQ=ER=1、PF=QB=RD=2とすると△AGB、△CHD、△EIFはすべて辺の長さ3の正三角形となる。
とすると正三角形GHIの面積を1としたとき隣辺比と面積比の関係より、△PGQ、△QHR、△RIPの面積はすべて ⁵⁄₉×⁴⁄₉=²⁰⁄₈₁ だから
正三角形PQR=1-²⁰⁄₈₁×3=²¹⁄₈₁=⁷⁄₂₇
また正六角形ABCDEFは三角形GHIの⁶⁄₉だから
正六角形ABCDEF:正三角形PQR=⁶⁄₉:⁷⁄₂₇=18:7