表を使う推理算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

表を使って解くタイプの推理算として、ほかにも次のような出題例があります。

 

  推理算①(早稲田中2023)

 

4つのチームA、B、C、Dが総当たり戦を行い、勝ったチームには3点、引き分けたチームには1点ずつ入り、負けたチームには点は入りません。総当たり戦がすべて終わった後、各チームの監督は次のように言いました。B、C、Dはそれぞれ何点ですか。
 Aの監督「私のチームの合計は7点でした。Dに勝っていれば全勝でした。」
 Bの監督「私のチームには引き分けがありません。」
 Cの監督「4チームの点をすべて足すと、16点になりました。」
 Dの監督「私のチームはCより点が低かった。」

 

右矢印 問題文にある情報を読み解いていくと 

  1. 私のチームの合計は7点」とのA発言よりAの戦績は「勝ち、勝ち、引き分け」だった(3+3+1=7)。しかも「Dに勝っていれば全勝」とのことなのでAが引き分けた相手はDだったとわかる。
  2. 試合数はぜんぶで6試合だが「4チームの点をすべて足すと、16点」だったとのC発言。このうちAが戦った3試合であわせて8点(=3+0+3+0+1+1)だから、Aが戦わない3試合の合計も8点だった。これによりB-C、B-D、C-Dのうち引き分けが1試合あることがわかる。
  3. とすると「私のチームには引き分けがありません。」とのB発言より(B-C、B-Dが引き分けでないので)引き分け試合はC-D

ここまでを表にすると次の通り。

最後にD発言「私のチームはCより点が低かった。」より、①が○、②が×に決まり、この裏返しで③が×、④が○に決まる。

 

よって A=7点、B=3点、C=4点、D=2点

 

 

  推理算②(常翔啓光学園2023)

 

ある小学校で、A、B、C、D、Eの5人の生徒に国語、算数、理科、社会、英語の5つの教科について、好きな教科についてのアンケートを取りました。アンケートの結果について、次のことがわかっています。
  (ア) Aが好きな教科は4つで、そのうちの1つは英語である。
  (イ) B、Cの好きな教科のうち、1つは同じ教科である。
  (ウ) Cは国語が好きだが、英語は好きではない。
  (エ) Dは算数が好きだが、英語は好きではない。
  (オ) Eには好きな教科が3つあり、そのすべてがDの好きな教科ではない。
  (力) A〜Eの5人は、好きな教科の数が全員異なる。
  (キ) どの教科についても、好きと答えた生徒が3人以上いる。
このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 英語が好きな生徒はだれですか。すべて答えなさい。

 

右矢印 問題文より

  • CもDも「英語は好きではない」(ウ)(エ)
  • どの教科についても、好きと答えた生徒が3人以上いる」(キ)

よって英語が好きな生徒は残り3人で A、B、E

 

⑵ 5つの教科すべてが好きな生徒はだれですか。

 

右矢印 小問⑴以外でほかに分かるのは

  1. Eの好きな教科は「Dの好きな教科ではない」(オ)
  2. Dは算数が好き」(エ)
  3. よってEは算数は好きではない

 

ここまでを表にすると次の通り(○:好き、×:好きではない)

ここで「A〜Eの5人は、好きな教科の数が全員異なる」(力) からB、C、Dの好きな教科数は 「5」 「2」 「1」 のどれかとなるが、このうち 「5」 が入る可能性があるのは(CとDは英語×だから)Bだけ。

よって「5つの教科すべてが好きな生徒」は 完了

 

 

このようにぜんぶを埋めるまでもなく正解が出てしまうのですが、このあと続けていくとアンケート結果として考えられるのは3パターンある(DとEは1通りに決まらない)ようです。