以前の記事の続きです。
推理算では問題文にある情報を正しく整理し筋道を立てて考えていく力が必要になります。
つぎの料理コンテストの問題では、この「筋道を立てて考察する力」を使いながら、3つの項目について項目ごとに情報を整理し、可能性のないものを消してしぼり込んでいく作業をこなしていくことになります。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人で料理コンテストを行いました。評価することがらは『味』、『見た目』、『調理時間の短さ』の3つです。それぞれの評価することがらについて順位がつけられ、1位には3点、2位には2点、3位には1点、4位には0点が与えられます。これら3つの評価することがらの合計点数が総合得点となり、総合得点が最も高い人が優勝です。コンテストの結果をみた観客は以下のように話しています。このとき、次の問いに答えなさい。(立命館宇治中2021)
【観客の話】
「『味」は、CさんよりAさんの得点が高く、AさんよりDさんの得点が高いね。」
「『見た目』は、CさんよりBさんの得点が高く、BさんよりAさんの得点が高いよ。」
「『調理時間の短さ』は、AさんよりDさんの得点が高く、DさんよりBさんの得点が高いわ。」
「4人ともみんな、評価することがらごとに得点が違うよ。」
「『調理時間の短さ』で、2位だったのはCさんではなかったね。」
⑴ 『調理時間の短さ』の1~4位の人をそれぞれ答えなさい。
3つの項目について表にして状況を整理していく。
まず『味』について「CさんよりAさんの得点が高く、AさんよりDさんの得点が高い」ことから(DはAより得点が高いことを「D>A」のように書くこととすると)D>A>Cとわかるから、
①Dは3位でも4位でもない
②Aは1位でも4位でもない
③Cは1位でも2位でもない
ことがわかる。
表にするとつぎの通り(×は可能性のないもの)
同じように『見た目』について「CさんよりBさんの得点が高く、BさんよりAさんの得点が高い」ことからA>B>Cとわかる。
また『調理時間の短さ』について「AさんよりDさんの得点が高く、DさんよりBさんの得点が高い」からB>D>Aとわかる。
さらに『調理時間の短さ』では「2位だったのはCさんではなかった」というヒントもあるので、ほかの表より×が1つ多く書ける(赤の部分)。
ここでほかの人より情報量が1つ多いCに注目すると
- 『味』と『見た目』の表のCのところをみると、Cはどちらも1位、2位ではないから、どちらかが3位でどちらかが4位と決まる。
- となるとまだ使っていないヒント「4人ともみんな、評価することがらごとに得点が違う」より、『調理時間の短さ』が3位か4位だった可能性も消えるから、Cの『調理時間の短さ』は1位(3点)に決まる。
あとは自動的にB=2位が決まり、D=3位、A=4位も決まっていく。
答. 1位C、2位B、3位D、4位A
⑵ 優勝したのはだれですか。また、その人の総合得点は何点ですか。
完成した『調理時間』の表を『味』『見た目』の表と見くらべてみる。
すると(Bが2位のものはもうないので)『見た目』のBは3位に決まり、Cが4位に決まる。
ここで『味』の表に移ると、Aの2位が決まり、1位=D、3位=C、4位=Bも決まっていく。
これと順位が重ならないよう『見た目』の表のDは2位に、1位はAに決まる。
こうして完成した表にしたがって総合得点を出すと
A…2+3+0=5点、B…0+1+2=3点
C…1+0+3=4点、D…3+2+1=6点
となるから
優勝した人ーD、総合得点ー6点