以前の記事の続きです。
今回取り上げるのは学童のよくある日常を描いた推理算の問題です。解答欄もほとんど選択式だし、見た目は簡単そうですが、取り組んでみるとそこそこの難問になっています。
ある地区センターで遊ぶ仲良しの小学生6人がいます。ある日、この6人から同じ小学校の3人を選んで花の水やりをしてもらいました。また、別の日には、この6人のうちの3人がけん玉で遊びましたが、このときの3人は、それぞれ別の小学校に通う3人でした。また、この6人を3人ずつの2つのチームに分けて対戦ゲームをして遊んだとき、それぞれのチームはどちらも同じ小学校に通う2人と別の小学校に通う1人の合計3人でした。花の水やりもしていないが、けん玉でも遊んでいない人が、対戦ゲームでは勝利したとするとき、次の問いに答えなさい。(洗足2022帰国)
⑴ 6人が通う小学校は、全部で何校ありますか。
まず「6人から同じ小学校の3人を選んで花の水やりをし」たという3人がおり、これをA、B、Cとする。
つぎに「この6人を3人ずつの2つのチームに分けて対戦ゲームをして遊んだとき、それぞれのチームはどちらも同じ小学校に通う2人と別の小学校に通う1人の合計3人」だったので、ABCとは別の同じ小学校に通う小学生が少なくとも2人いる。これをD、Eとする。
なお、ABCと同じ小学校の小学生Dがもう一人いる(4人が同じ小学校)という可能性も「同じ小学校に通う2人」が2つのチームに分かれて対戦ゲームをしたという条件には一応合いますが、これだと小問⑶にある「6人のうちの1人が…転校したところ、6人の通う小学校での人数が、それぞれ等しくなりました」という状況にはなりません。
そして「この6人のうちの3人がけん玉で遊びましたが、このときの3人は、それぞれ別の小学校に通う3人」とあるから、残る1人(Fとする)はABCともDEとも別の小学校に通っている。
よって、全部で3校ある。
⑵ だれとも同じ小学校に通っていない人について、正しいのは次の①~⑥のどれですか。番号で答えなさい。
①水やりをした。けん玉で遊んだ。対戦ゲームで勝利した。
②水やりをした。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで勝利した。
③水やりをした。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで敗北した。
④水やりはしていない。けん玉で遊んだ。対戦ゲームで勝利した。
⑤水やりはしていない。けん玉では遊んだ。対戦ゲームで敗北した。
⑥水やりはしていない。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで敗北した。
「だれとも同じ小学校に通っていない人」はF。そのFについて考えてみると
❶花の水やりをしたのはABCの3人なので、Fは水やりをしていない。
❷けん玉で遊んだのは「それぞれ別の小学校に通う3人」なので、これに含まれるFはけん玉で遊んだ。
❸対戦ゲームは「同じ小学校に通う2人と別の小学校に通う1人」からなる3人チームなので、(同じ学校に通う)ABCは2人と1人に分かれて対戦したことになる(ABとCに分かれて対戦したとする)。このときチームメンバーはABFで1つのチーム、CDEでもう1つのチーム(DEが同じ学校)となるが、「花の水やりもしていないが、けん玉でも遊んでいない人」が勝利チームにいることから、CDEのチームが勝利チームと決まる(ABは水やりをしたし、Fはけん玉で遊んだので)。つまりFは対戦ゲームで敗北した。
以上より正解は⑤
⑶ 6人のうちの1人が、対戦ゲームで同じチームだった人の通う小学校に転校したところ、6人の通う小学校での人数が、それぞれ等しくなりました。転校した人について、正しいのは次の①~⑥のどれですか。考えられる番号をすべて答えなさい。
①水やりをした。けん玉で遊んだ。対戦ゲームで敗北した。
②水やりをした。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで勝利した。
③水やりをした。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで敗北した。
④水やりはしていない。けん玉で遊んだ。対戦ゲームで勝利した。
⑤水やりはしていない。けん玉では遊んだ。対戦ゲームで敗北した。
⑥水やりはしていない。けん玉では遊んでいない。対戦ゲームで敗北した。
対戦したのはABF(ABは同じ学校)とCDE(DEは同じ学校)の両チームなので、「6人のうちの1人が、対戦ゲームで同じチームだった人の通う小学校に転校したところ、6人の通う小学校での人数が、それぞれ等しく」なるのはAかBがFのいる学校に転校した場合だけ(このとき3つの小学校それぞれに2人ずつ通うことになる)。
となると「転校した人」はAかB。そして
❶AもBの花の水やりをした。
❷けん玉をしたのは「別の小学校に通う3人」としか分からないので、AかBのどちらかがけん玉をした可能性はある。
❸上記のとおりABFのチームは対戦ゲームで敗北した。
以上より、考えられるのは①か③