以前の記事の続きです。
中央値や最頻値、度数分布表やドットプロットを取り上げた入試問題の第3弾です。
中央値(品川翔英2023)
ある学校で6人の握力を測ったところ、19kg、13kg、13kg、16kg、24kg、20kgでした。この6人の握力の中央値は□kgです。
「中央値」は資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値で、データの数が偶数のときは中央の2つの値の平均値となる。
そこでデータを小さい順に並べかえると
13kg、13kg、16kg、 19kg、20kg、24kg
データの数は6コで偶数なので、中央の2つの値は16kgと19kg。
この2つの平均値を出せばよいから 17.5kg
ドットプロット(九州国際大学付属2023)
次の図は、ある学校の6年1組で1か月に集めたペットボトルのキャップの数を調べて、ドットプロットに表したものです。
※見やすさのため2段にわけた
⑴ 中央値は、いくらですか。
⑳まであるようにクラスはぜんぶで20人(偶数)だから、中央の2人(少ない方から10番目と11番目の人)の個数の平均値が中央値となる。
そこでドットプロットに人数を書き込んでいくと上のようになり、下から10番目の人も11番目の人も「13個」だから平均しても 13個
⑵ ちらばりのようすを表に表しなさい。
ていねいに数えていくと次のとおり。
最頻値(日本大学第一2023)
あるクラスの30人に10点満点のテストを行いました。下のグラフは、その結果を表しています。ところが一部が汚れていて、人数がわかりません。
30人の点数の平均値、最頻値、最大値はそれぞれ4.3点、6点、9点でした。このとき、次の各問いに答えなさい。ただし、生徒の点数は0点以上10点以下の整数の点数とします。
まずは「平均値、最頻値、最大値はそれぞれ4.3点、6点、9点」の情報から黒でかくれた部分を明らかにしていくと
- 最大値は9点だから少なくとも1人は9点がいる。また10点は0人
- 平均値は4.3点だから合計得点は4.3×30=129点。いま見えているデータは20人分でその合計は63点(=1点×3+2点×6+3点×6+4点×2+7点×2+8点×1)だから、かくれた部分(9点、6点、5点)には残り10人分で合計66点のデータがある。芋づる算は避けたいので先に最頻値を見る
- 最頻値(資料の中で最も多く出てくる値)は6点だから6点は7人以上(9人以下。9点が1人はいるので)とわかる
そこで6点の人数で場合分けすると
- 6点が9人の場合、6×9+9×1=63だから、残り1人が最高点の9点でも合計66点にはとどかない
- 6点が8人の場合、6×8+9×2=66だから、9点が2人のときちょうど合計66点となり、人数も合計点も条件に合う
- 6点が7人の場合、6×7=42点だから残り3人で14点となる組合せは(あと9点か5点の人しかいないという条件では)作れない
よって、黒でかくれた部分(10人分)のデータは 5点が0人、6点が8人、9点が2人、10点が0人だとわかる。
⑴ 30人の点数の中央値を求めなさい。
中央値はデータの数が偶数のときは中央の2つの値の平均値となる。
グラフを再現すると上のようになるから、30人のうち下から15番目の人は3点、16番目の人は4点とわかり
(3+4)÷2=3.5点
⑵ このグラフを円グラフに表すと、4点の部分の中心角(2つの半径のつくる角)は何度ですか。
4点だったのは30人中2人だから
2÷30×360=24度
⑶ 点数が5点、6点、9点、10点の生徒の人数をそれぞれ求めなさい。
再現したグラフより 5点ー0人、6点ー8人、9点ー2人、10点ー0人