以前の記事の続きです。
新単元「ドットプロットと代表値」より、平均値と中央値を取り上げたものとしてほかに次のような出題例があります。
その1(聖霊中2022)
下の表は、野球チーム「聖霊エンゼルス」が行った15試合のヒットの本数とその合計数を表しています。ヒットの本数は小さい順にならべています。
(※見やすさのため2段にわけた)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230327/03/jukensansuwa/73/2d/p/o1743058915261146710.png?caw=800)
このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ ヒットの本数の平均値を求めなさい。
15試合で168本のヒットが出たので
168÷15=11.2本
⑵ ヒットの本数の中央値を求めなさい。
ぜんぶで15試合だから小さい方から8番目=⑧のヒット数が中央値となるから13本
⑶ 試合⑩の記録にまちがいがあり、正しいヒットの本数は14本でした。
「試合⑩のヒットの本数を14本に訂正すると、訂正前と比べて□」
□にあてはまる正しいものを次のア〜エのうち1つ選び、カタカナの記号を答えなさい。
ア、ヒットの本数の平均値、中央値ともに大きくなる。
イ、ヒットの本数の平均値、中央値ともに変わらない。
ウ、ヒットの本数の平均値は大きくなるが、中央値は変わらない。
エ、ヒットの本数の平均値は変わらないが、中央値は大きくなる。
平均値は当然大きくなる。しかし⑩が13→14になっても順番の入れかわりはなく、中央値⑧については変わらない。
よって ウ
その2(早稲田佐賀2023)
次のデータは、6人の生徒が受けた試験の結果です。
75、82、77、70、83、78(単位は点)
このデータのうち1個が誤りであることが分かりました。正しい値に基づく平均値は76.5点、中央値は77点です。上記6個のデータのうち、誤っている値は(ア)点で、正しい値は(イ)点になります。
小さい順にデータを並べかえると
70、75、77、78、82、83
この平均値を計算すると(70との差だけを計算)
(0+5+7+8+12+13)÷6=7.5
より 70+7.5=77.5点
しかし正しい「平均値は76.5点」とこれより1点低いから(データは6個あるので)実際より6点高いものが1つあるとわかる。
そこで「中央値は77点」であることを考えると、これをみたすのは83→77に6点へらしたときだけ。
ぜんぶためすと、70と75を6点へらすと中央値は77.5に、77と82を6点へらすと中央値は76.5に、78を6点へらすと中央値は76にそれぞれなる。
よって、誤っている値は(ア)83点、正しい値は(イ)77点
その3(賢明女子2023)
次のデータは、生徒7人が受けた20点満点のテストの結果です。次の問いに答えなさい。
11、20、17、9、18、12、▢ (単位は点)
⑴ 7人の得点の平均値は15点でした。▢に入る得点を求めなさい。
7人の得点合計は 15×7=105点
いまわかっている6人の得点合計は
11+20+17+9+18+12=87点 だから
▢=105-87=18点
⑵ ⑴のとき、中央値を求めなさい。
点数が小さい順に並べかえると
9、11、12、17、18、18、20
だから中央値は17
⑶ ▢に入る得点がわからないとき、中央値として考えられる点数は何通りありますか。ただし、▢に入る得点は整数とします。
小問⑵で18としたのをもとの▢にもどすと
9、11、12、17、▢、18、20
これより次のことがわかる。
- ▢が11以下のとき…12が中央値となる
- ▢が12以上17以下のとき…▢が中央値となる
- ▢が17以上のとき…17が中央値となる
よって中央値は12から17までの6通り