以前の記事の続きです。
苦手な小学生が多い「歩数と歩幅」の問題ですが、今年もいろいろバリエーションを変えて出題されています。
カエルの飛び幅(三田学園中2023前期B)
カエルAが5飛びで進む距離を、カエルBは6飛びで進みます。また、カエルAが3飛びにかかる時間で、カエルBは4飛びします。カエルAが60分で進む距離を、カエルBは何分で進みますか。
カエルの「飛び」をそのまま人の「歩き」として考える。
歩く速さは「歩幅×歩数」で求められるから
- 飛び幅(歩幅)の比はカエルA:カエルB=6:5。同じ距離を飛ぶ(歩く)のにAは5飛び(5歩)、Bは6飛び(6歩)かかるなら1飛び(1歩)あたりの飛び幅(歩幅)は逆比になる
- 飛ぶ回数(歩数)の比はそのままカエルA:カエルB=3:4
だから速さの比はカエルA:カエルB=6×3:5×4=9:10
距離が一定のとき速さと時間は逆比の関係にあるから、カエルAが60分で進む距離をカエルBは▢分で進むとすると
60分:▢分=10:9 より ▢=54分
自転車のペダル(普連土2023午後)
三太さんと友子さんが自転車で走っています。三太さんがペダルを5回転こぐ間に、友子さんは4回転こぎます。また、三太さんの自転車のペダルが6回転して進む道のりを、友子さんの自転車は7回転で進みます。132m先を走っている友子さんに三太さんが追いつくためには、三太さんは何m走ればよいですか。
自転車のペダルの「回転」をそのまま人の「歩き」として考える。
歩く速さは「歩幅×歩数」で求められるから
- 「三太さんがペダルを5回転こぐ間に、友子さんは4回転」こぐ→回転幅(歩幅)の比はその逆比で 三太:友子=7:6
- 「三太さんの自転車のペダルが6回転して進む道のりを、友子さんの自転車は7回転で」進む→回転数(歩数)の比はそのまま 三太:友子=5:4
だから速さの比は三太:友子=7×5:6×4=35:24
距離は速さに比例するから三太が㉟m進むとき友子は㉔m進む。この差⑪=132mとなるときに三太は友子に追いつくから ①=132÷11=12m
よって三太は 12m×35=420m 走ればよい
動く歩道(洛南中2023)
太郎さんと花子さんの2人は、地点Aから地点Bまではふつうの歩道を歩き、BからAまでは動く歩道を歩きます。AからBまでを、太郎さんは90歩で、花子さんは108歩で歩き、太郎さんはBからAまでを72歩で歩きます。また、太郎さんが15歩歩く間に花子さんは14歩歩きます。さらに、太郎さんがAから、花子さんがBから同時に歩き始めたとき、AとBの真ん中の地点Cよりも1mだけAに近いところで2人はすれ違いました。太郎さん、花子さん、動く歩道の速さはそれぞれ一定です。また、太郎さん、花子さんの歩幅はそれぞれ一定です。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ (太郎さんの歩く速さ):(動く歩道の速さ) を、最も簡単な整数の比で表しなさい。
太郎はA→Bを90歩で歩き、B→Aを72歩で歩く。この差18歩は「地点Aから地点Bまではふつうの歩道を歩き、BからAまでは動く歩道を」歩くことによるもの。このことから動く歩道は太郎が72歩進む間に太郎の18歩分をはこんでくれることがわかる。
よって、その速さの比は 太郎:動く歩道=72:18:=4:1
⑵ AからBまでの距離は何mですか。
太郎と花子の歩幅と歩数の情報から、2人の速さの比をまず求める。
- 「AからBまでを、太郎さんは90歩で、花子さんは108歩で」歩く→歩幅の比はその逆比で 太郎:花子=108:90=6:5
- また「太郎さんが15歩歩く間に花子さんは14歩」歩く→歩数の比はそのまま 太郎:花子=15:14
したがって、2人の歩く速さの比は
太郎:花子=6×15:5×14=90:70=9:7…㋐
ここで 太郎:動く歩道=4:1…㋑ と小問⑴でわかったから、㋐㋑を比合わせすると
太郎:花子:動く歩道=36:28:9
とすると太郎のA→B方向の速さを㊱とおくと、花子のB→A方向の速さは(動く歩道の速さが加わるから)㉘+⑨=㊲
距離は速さに比例するから、太郎の進んだ距離を36とおくと花子の進んだ距離は37。またAB間の距離はその合計なので 36+37=73
ここで「AとBの真ん中の地点C」はAから36.5(=73÷2)の地点。2人が出会ったのは(太郎が出発した)Aから36の地点であり、この差0.5が1mだから、AB間の距離73は146m