以前の記事の続きです。
今年出題された食塩水の問題の第4弾になります。
空の容器があり、この容器には3つの管A、B、Cがついていて、次のような操作を行います。
操作1:管Aを開き、濃度12%の食塩水を毎分100gの割合で容器に入れる。
操作2:管Bを開き、濃度6%の食塩水を每分100gの割合で容器に入れる。
操作3:管Cを開き、水を毎分200gの割合で容器に入れる。
操作1→操作2→操作3→操作1→操作2→操作3→…の順にそれぞれの操作を1分間ずつ、よくかき混ぜながら休みなくくり返しました。ただし、次の操作に移るときは前の操作で開いた管を閉じてから行い、管の開閉にかかる時間は考えないものとします。このとき、次の問いに答えなさい。(立命館2023)
⑴ はじめに管Aを開いてから8分後の容器に入った食塩水全体の濃度は何%になったか答えなさい。
それぞれの操作でふえる食塩の量に注目すると
操作1で12g(=100g×12%)
操作2で6g(=100g×6%)
操作3は水だけなのでなし
これをもとに8分後の食塩の量(割られる数)と食塩水の量(割る数)を別々に数えると
- 食塩の量…8分間で操作1を3回、操作2を3回、操作3を2回行うから 12×3+6×3=54g
- 食塩水の量…操作1(食塩水100g)を3回、操作2(食塩水100g)を3回、操作3(水200g)を2回行うから 100×3+100×3+200×2=1000g
よって 54÷1000=0.054 より 5.4%
⑵ 容器に入った食塩水全体の濃度が5%になったのが3度目のとき、容器に入っている食塩水の重さを答えなさい。
時間、食塩、食塩水、濃度の関係を表にしてみる。
これに加えて「5%の線より上か下か」を折れ線グラフのような形で書いてみるとわかりやすい。下に書いたのはそのグラフのイメージ(わかりやすくぜんぶ直線にしてあるが実際には直線になるとは限らない)
どの操作のあとで5%より上だった濃度が5%より下になるか(またはその逆になるか)をこの表でさがすと、1度目が2~3分の間、2度目が3~4分の間、3度目が5~6分の間だとわかる。
そして5~6分の間の食塩の量はずっと36g。
これで濃度5%になる食塩水の量を計算すると
36÷0.05=720 より 720g
⑶ 容器に入った食塩水全体の濃度が5%になったのが7度目のときは、はじめに管Aを開いてから何分何秒後か答えなさい。
表を続けて書いていくと、濃度5%の線をまたぐのが7度目となるのは11~12分後だとわかる。
11~12分の間の食塩の量はずっと72g。
これで濃度5%になる食塩水の量を計算すると
72÷0.05=1440g
11分で1400g入るから、あと40g入るのにかかる時間を計算すると
40÷200=0.2分=12秒
よって11分12秒後