ニュートン算2023③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きになります。

 

今年出題されたニュートン算の入試問題の第3弾です。

 

毎分同じ割合で水がわき出す井戸があります。この井戸に64リットルの水がたまったときからポンプを使って水をくみ出します。ポンプを5台使うと井戸が空になるのに5分20秒かかり、6台使うと4分かかります。このとき、次の各問いに答えなさい。ただし、使用するポンプはすべて同じ速さで水をくみ出すものとします。(岡山白陵中2023)
⑴ ポンプを8台使うと井戸が空になるまで何分何秒かかりますか。

 

右矢印 ポンプの排水能力を毎秒①L、水がわき出す速さを毎秒▢Lとする。

井戸の水の量は同じなので

 (⑤-□)×320=(⑥-□)×240

両辺を80で割って (⑤-□)×4=(⑥-□)×3 

分配法則より ⑳-4⃣=⑱-3⃣ なので 1⃣=②


したがってポンプの排水能力が毎秒①Lのときの水がわき出る速さは毎秒②L。そして「64リットルの水」がたまった井戸で「ポンプを5台使うと井戸が空になるのに5分20秒」かかるから

(⑤-②)×320秒=64L より ③=毎秒0.2L

 

よって、ポンプを8台使うときの水がへっていく速さは⑧-②=毎秒⑥L=毎秒0.4Lだから、井戸の水64Lが空になるまで

 64÷0.4=160秒=2分40秒

 

⑵ ポンプを4台使って水をくみ出し始めました。しばらくして何台かのポンプが同時に故障したので、残ったポンプで水をくみ出し続け、ポンプが故障して4分たってから新たに2台のポンプを追加して水をくみ出したところ、水をくみ出し始めてから20分後に初めて井戸が空になりました。ポンプが故障したのは水をくみ出し始めてから何分後か求めなさい。

 

右矢印 小問⑴よりポンプ1台の1分あたりの排水能力は毎秒0.2L÷3×60=毎分4L。これを4台使うと毎分16Lの水をくみ出せる。

 

一方、水が1分あたりにわき出す量は毎秒0.4L÷3×60=8L。「水をくみ出し始めてから20分後」だと8×20=160Lが新しくわき出すから、はじめにあった「64リットルの水」とあわせて224Lの水をくみ出したこととなる。

これをつるかめ算で解きたいので、故障しなかった「残ったポンプ」を▢台として面積図にすると上のようになる。しかしこれだとまだつるかめ算では解けない。

 

そこで「何台かのポンプが同時に故障した」という文章から落ち着いて考えると故障したポンプは2台か3台にしぼられるから残ったポンプ」▢台は2台か1台かのどちらか。場合分けして考える。

 

❶故障したポンプが2台のとき

残ったポンプ2台で4分間でくみ出した水の量は

 毎分4L×2台×4分=32L

だから、これをのぞいた残り192Lだけの面積図にすると(故障前もポンプ追加後もポンプ4台を使ったから)

となるがこれだと計算が合わない。

 

❷故障したポンプが3台のとき

残ったポンプ1台で4分間でくみ出した水の量は

 毎分4L×4分=16L

だから、これをのぞいた残り208Lだけで面積図にすると(故障前はポンプ4台、ポンプ追加後はポンプ3台を使ったから)

これならつるかめ算で解けて、ポンプ4台を使った時間が4分のときに

 毎分16L×4分+毎分12L×12分=64+144=208L

となる。

 

よって故障したポンプは3台で、ポンプが故障したのは水をくみ出し始めてから4分後 完了