以前の記事の続きです。
今年の入試問題から、相当算の問題4問を取り上げます。
その1(京都女子2023)
藤子さんは、お小遣いをもらい、1日目にその金額の¼より30円少ない金額を使いました。2日目は1日目の残金の⅓を使い、さらに3日目は2日目の残金の½を使いました。残った金額は、もらったお小遣いの⅕より160円多くなりました。もらったお小遣いは□円です。
分母に出てくる4と3と2と5の最小公倍数60を使い「もらったお小遣い」を円とおくと
- 1日目はもらったお小遣いの「¼より30円少ない金額」を使った→使ったのは×¼-30=⑮-30、残金は㊺+30
- 2日目は「1日目の残金の⅓」を使った→使ったのは⑮+10、残金は㉚+20
- 3日目は「2日目の残金の½」を使った→使ったのは⑮+10、残金は⑮+10。これが「もらったお小遣いの⅕より160円」多かったから、⑮+10=⑫+160 より ③=150 だから ①=50円
よって、もらったお小遣い○60は 50×60=3000円
その2(本郷中2023)
ある本を買った日に全体の⅓より5ページ多いページ数を読み、翌日には残りの⅔よりも11ページ少ないページ数を読んだところ、全体の¼が残りました。この本は全部で何ページありますか。
分母に出てくる3と(もう一つの)3と4の最小公倍数を使い、本のページ数を㊱ページとおくと
- 「買った日に全体の⅓より5ページ多いページ数」を読んだ→読んだのが㊱×⅓+5、残りは㊱×⅔-5=㉔-5
- 「翌日には残りの⅔よりも11ページ少ないページ数を読んだ」→読んだのは (㉔-5)×⅔-11、残りは (㉔-5)×⅓+11=⑧+9⅓
- これが「全体の¼」なので ⑧+9⅓=⑨ より ①=9⅓ページ
よって本のページ数㊱は 9⅓×36=336ページ
その3(桜美林2023・3日午後)
2つの容器A、Bに合わせて500mLのしょう油が入っていました。容器Aのしょう油を30%、容器Bのしょう油を5%だけ使ったところ、しょう油の量の合計は24%減りました。はじめに、容器Aには何mLのしょう油が入っていましたか。
使ったしょう油の量に注目する。容器Aのしょう油の30%と容器Bのしょう油の5%を使うとぜんぶのしょう油の24%を使ったことになるということで天びん図を書いてみる。
天びんの腕の長さが左:右=⑲:⑥より、おもりの重さ(しょう油の量)はB:A=6:19となる。
よって容器Aのしょう油の量は 500×19÷25=380mL
その4(成城中2023)
イチゴがいくつか入っている箱があり、その前に「この箱の中のイチゴを全体の¼と、あと3個を持っていきなさい」というメモがありました。たろう君は、そのメモを「この箱の中のイチゴを全体の⅓と、あと4個を持っていきなさい」と読み違えてイチゴを持っていきました。たろう君が持っていったあとの箱の中のイチゴの個数は、最初にあった個数の半分になっていました。たろう君が持っていくはずのイチゴの個数は何個だったでしょうか。
分母に出てくる4と3の最小公倍数を使い「最初にあった個数」を⑫コとする。すると
- たろう君が実際に持っていった個数は「全体の⅓と、あと4個」だから④+4
- 箱に残ったイチゴの個数は「最初にあった個数の半分」だから⑥
- これらの和が最初にあった個数なので ④+4+⑥=⑫ より ①=2コ とわかり、最初にあった個数⑫は 2×12=24コ
よって「たろう君が持っていくはずのイチゴの個数」は「全体の¼と、あと3個」だから 24×¼+3= 9個