ニュートン算2023② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きになります。

 

今年出題されたニュートン算の入試問題の第2弾です。

 

  池の水をぜんぶ抜く(鎌倉学園2023)

 

一定の割合で水がわき出している小さな池があります。この池をそうじするために、ポンプを使って水をくみ出します。4台のポンプでは75分かかり、6台のポンプでは45分かかります。このとき、10台のポンプでは□分かかります。

 

右矢印 ❶「4台のポンプでは75分」の図と、❷「6台のポンプでは45分」の図を書く。

もともとあった池の水が□L*、わき出している水が毎分㋐L、くみ出す水がポンプ1台あたり毎分①人とすると(*問題文に単位は出てこないが単位がないと混乱する子もいるので小学生になじみのあるLをここでは使用

  1. ❶では□=(④-㋐)×75とあらわせる
  2. ❷では□=(⑥-㋐)×45とあらわせる
  3. 池の水□Lは等しいから(④-㋐)×75=(⑥-㋐)×45。最初に両辺を15で割って計算すると ⑳-㋐×5=⑱-㋐×3 だから ㋐×2=②より ㋐=①
  4. これを❶にもどすと □=③×75=L
よって10台のポンプだと⑩-①=毎分⑨Lずつへっていくから
 ÷⑨=25分
 

 

  つるかめ算と組み合わせた問題①(武蔵2023)

 

ある野球場には10か所の窓口があり、そのうち4か所では前売券を、残りの6か所では当日券を受け付けています。1か所の窓口で1分間に受け付けることができる人数は、前売券の窓口では8人、当日券の窓口では2人です。ある日の試合では、窓口が開く12時には全部で1240人が並んでいて、その後は前売券の人が毎分30人ずつ列に加わっていき、当日券の人が列に加わることはありませんでした。途中で当日券の人がいなくなったので、その後は10か所すべての窓口で前売券を受け付けたところ、12時50分に窓口に並ぶ人はいなくなり、窓口を閉めました。この日、当日券で入場した人は何人ですか。(式や考え方も書きなさい)

 

右矢印 問題文にある情報を整理すると

  1. 窓口が開く12時には全部で1240人が並んでいて」そのあと12時50分までの50分間は「毎分30人ずつ列に加わって」いったから、この日入場した人はぜんぶで 1240+30×50=2740人
  2. 最初は「4か所では前売券を、残りの6か所では当日券を受け付けて」いた。「1か所の窓口で1分間に受け付けることができる人数は、前売券の窓口では8人、当日券の窓口では2人」だから、8×4+2×6=毎分44人が入場した
  3. 途中で当日券の人がいなくなった」ところからは「10か所すべての窓口で前売券を受け付けた」ので、8×10=毎分80人が入場した
  4. ぜんぶで50分のうち毎分44人が入場していた時間が何分あったか(この時間にだけ当日券の入場者がいた)をつるかめ算の面積図を書いて出すと 50-15=35分間

よって当日券の窓口(6か所)から入場した人数は

 毎分2人×6×35分=420人

 

 

  ワクチン接種(明治大学付属明治2023)

 

あるワクチンの接種会場には3分間に10人の割合で接種希望者が来ます。接種担当の医師はA、B、Cの3人で、Aは2分間に3人の割合で、Bは3分間に4人の割合で接種を完了します。ある日の9時に、接種待ちの人がいない状態からAとBの2人で同時に接種を開始しました。10時30分には接種待ちの列が長くなったため、そこからCも加わり3人で接種をしたところ、11時30分には接種待ちの列がなくなりました。このとき、次の各問いに答えなさい。
⑴  10時30分の接種待ちの人は何人でしたか。

 

右矢印 9時から10時30分まで90分間。この間にAは3÷2×90=135人、Bは4÷3×90=120人に接種を完了した。

一方、この90分間で10÷3×90=300人の接種希望者が来たから、10時30分の接種待ちの人は

 300-(135+120)=45人

 

⑵ Cは1人あたり何秒の割合で接種を完了しますか。

 

右矢印 10時30分から11時30分まで60分間。この間にAは3÷2×60=90人、Bは4÷3×60=80人に接種を完了した。

一方、この60分間で10÷3×60=200人の接種希望者が来たこと、10時30分の時点で接種待ちの人がすでに45人がいたことから、11時30分に接種待ちの列がなくなるためには

 200+45-(90+80)=75人

に対してCが接種を完了しないといけない。

 

よって 60分×60秒÷75人=48秒 より、Cは1人あたり48秒の割合で接種を完了する。

 

 

  つるかめ算と組み合わせた問題➁(早稲田2023)

 

ある会場前に入場待ちの列ができています。開場した後も一定の割合で人が並びます。開場と同時に、毎分10人ずつ入場すると14分で列はなくなり、毎分13人ずつ入場すると8分で列はなくなります。
いま、開場してから毎分9人ずつ入場し、途中から毎分15人ずつ入場すると、ちょうど12分で列はなくなりました。毎分9人ずつ入場した時間は何分何秒ですか。

 

右矢印 ❶「毎分10人ずつ入場すると14分」の図と、❷「毎分13人ずつ入場すると8分」の図を書く。

開場前から並んでいた人数を□人、あとから並ぶ人数を毎分①人とすると

  • ❶より(10-①)×14=□
  • ❷より(13-①)×8=□

□は等しいから(10-①)×14=(13-①)×8 より(最初に両辺を2で割って)70-⑦=52-④ だから ①=6人

 

また開場前から並んでいた人数は □=(10-6)×14=56人

 

そして最初のうち「開場してから毎分9人ずつ入場」すると(毎分6人ずつ新たに並ぶから)差し引き毎分3人ずつへっていく。また「途中から毎分15人ずつ入場する」ところからは差し引き毎分9人ずつへっていく。

そこで56人の行列がなくなった12分間のうち毎分9人ずつ入場した時間が何分あったかをつるかめ算の面積図を書いて出すと

よって 12-¹⁰⁄₃=²⁶⁄₃=8⅔分 なので 8分40秒 完了