以前の記事の続きです。
今年出された場合の数の問題の第3弾になります。
お菓子の買い方(香蘭2023)
あるお店には、あめ、ラムネ、チョコレートの3種類のお菓子がたくさん置かれています。香さんはこの中から4個のお菓子を買うことができます。買うお菓子の選び方は□通りあります。ただし、買わないお菓子があってもかまいません。
いわゆる「重複組合せ」の問題なので仕切りを使う考え方ができます。
「4個のお菓子を買う」のでお皿4枚を用意し、このお皿を3つの組(お皿0枚の組があってもよい)に分けることを考える。この3組のお皿には左からあめ、ラムネ、チョコレートをのせていくものとする。
その組分けの方法としては皿4枚(〇〇〇〇)と仕切り2つ(||)の並べ方を考えればよい。たとえば「あめ1コ、ラムネが0コ、チョコレートが3コ」なら「〇||〇〇〇」のようになる。
このとき、ぜんぶで6つある場所から仕切りをおく場所2つを選ぶ選び方と考えることができるから 6×5÷2=15通り
日本シリーズ(攻玉社2023)
AとBが試合をして、先に4勝した方を優勝とします。どちらかが4勝するまで試合をくり返し、優勝が決まった後は試合を行いません。4勝2敗でAが優勝するとき、勝ち負けのしかたは□通りです。ただし、引き分けはないものとします。
Aの勝ち負けを道順のように考えて図にしてみる。
たて軸をAの負け、横軸をAの勝ちとし、試合開始(■)から4勝2敗(●)への最短距離を考える。ただしAが4勝してしまうとそこで試合は終わってしまうので必ず○地点(3勝2敗)を通る必要がある。
となると■→○への最短の道順を考えればよいから、下の図のとおりで10通り
部屋割り(武蔵中2023)
6人が松、竹、梅の3つの都屋に2人ずつ泊まります。ただし、兄弟は同じ部屋には泊まらないものとします。6人が2組の3人兄弟のとき、泊まり方は□通りあります。
A、B、Cが兄弟、㋐、㋑、㋒が兄弟とする。
- A、B、Cの「兄弟は同じ部屋には泊まらない」から必ず3つの部屋に分かれる。その分かれ方は、Aは松、竹、梅のどれに行くかで3通り、Bは残り2部屋のどちらかで2通り、Cは最後に残った部屋に自動的に決まるから、3×2×1=6通り
- ㋐、㋑、㋒も同じく3つの部屋に分かれるから 3×2×1=6通り
また、6人が3組の2人兄弟のとき、泊まり方は□通りあります。
AとBが兄弟、㋐と㋑が兄弟、❶と❷が兄弟とする。
まず同じ部屋になる2人組の作り方を考えると次の2つのパターンしかない(仕切りマーク「|」は部屋が違うことをあらわす)
- 「A|B|㋐」と分かれるパターン…㋑は㋐と同じ部屋にならないからAの部屋かBの部屋かの2通り。❶は残った2部屋のどちらかで2通り、❷は最後に残った部屋に自動的に決まり1通り→2×2=4通り
- 「A|B|㋑」と分かれるパターン…㋐は2通り、❶は2通り、❷は1通り→4通り
このように2人組の作り方はぜんぶで8通り(=4+4)ある。
この2人組ペアがどこの部屋に泊まるかで6通りずつ(=3×2×1)決め方があるから
8×6=48通り
タイル並べ(豊島岡2023)
同じ大きさの白い正三角形のタイルと黒い正三角形のタイルが、それぞれ4枚ずつ合計8枚あります。この8枚の中から4枚を選んでびったりとくつつけて大きい正三角形を作るとき、大きい正三角形は何通り作ることができますか。ただし、異なる向きから見ると同じものは、1通りと数えることとします。
三角形ですが円順列の考え方を使います。
黒い正三角形を何枚使うかで場合分けする(またその黒い三角形を真ん中に使うかどうかでさらに場合分けする)。
❶黒0枚のとき…1通り
❷黒1枚のとき…真ん中に黒を使うとき1通り。真ん中に黒を使わないとき3通りあるがすべて「異なる向きから見ると同じもの」なので1通り→合計2通り
❸黒2枚のとき…真ん中に黒を使うとき3通りあるがすべて「同じもの」なので1通り。真ん中に黒を使わないときも3通りあるがすべて「同じもの」なので1通り→合計2通り
❹黒3枚のとき…❷と同じで2通り
❺黒4枚のとき…❶と同じで1通り
以上の合計で8通り