以前の記事の続きです。
2023年入試問題も少しずつ出はじめてきたので、今回はそのなかからいろいろ応用がききそうな場合の数の問題を取り上げます。
グループ分け①(北嶺2023)
みかん4個とりんご2個のあわせて6個を、4つの組に分ける方法は何通りありますか。(ただし、各組にはみかん・りんごは合計1個以上あるとします。)
いったん6個すべてがみかんだとする。これを「4つの組に分ける方法」は次の2つのパターンしかない(|は組分けの仕切り。①や➁は同じみかんだが組がちがうことを意味)
①①①|➁|③|④
①①|➁➁|③|④
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ここからみかん2個→りんご2個(❶や❷であらわす)に取りかえる方法をパターンごとに考えると
①①①|➁|③|④のとき…次の3通り
❶❶①|➁|③|④
❶①①|❷|③|④
①①①|❷|❸|④
①①|➁➁|③|④のとき…次の4通り
❶❶|➁➁|③|④
❶①|❷➁|③|④
❶①|➁➁|❸|④
①①|➁➁|❸|❹
よってぜんぶで 3+4=7通り
グループ分け➁(灘2023)
6個の数1、2、3、4、5、6を2個ずつ3つのグループA、B、Cに分けます。Aに含まれる2つの数のうち大きい方が、Bに含まれる2つの数のうち大きい方よりも大きくなるような分け方は全部で□通りです。
あることに気がつけば場合分けなどすることなくあっさり解けてしまうおもしろい問題です。
ぜんぶのグループ分けの方法をまず考えると
- グループAの2個の選び方が(6個のなかから選ぶので)6×5÷2=15通り
- グループBの2個の選び方が(残り4個から選ぶので)4×3÷2=6通り
グループCの2個は自動的に決まるから、ぜんぶで15×6=90通り
ここで「Aに含まれる2つの数」はすべて同じ数だけ「Bに含まれる2つの数」としてもあらわれる(対称性)。そして「Aに含まれる2つの数のうち大きい方」と「Bに含まれる2つの数のうち大きい方」が同じになることはないから(必ずどちらかが大きくなるから)単純に2で割って
90÷2=45通り
整数の個数①(栄東2023東大特待Ⅰ)
2023のように各位の数の和が7になる4桁の整数のうち、2023未満のものは□個あります。
「4桁の整数」で「2023未満」なので1000番台(1■■■)と2000番台(20■■)に分けて考える。
❶まず簡単な「20■■」の形から考えると2005、2014の2通り
❷「1■■■」の形…百の位は0から6までが候補となる。大きい方から考えると
- 「16■■」→1600だけの1通り
- 「15■■」→1501、1510の2通り
- 「14■■」→1402、1411、1420の3通り
ここまで手を動かすとあとは「13■■」→4通り、「12■■」→5通り、「11■■」→6通り、「10■■」→7通り だとわかる
以上の合計で 2+1+2+3+4+5+6+7=30通り
整数の個数➁(甲陽学院2023第2日)
数字の0が書かれたカードが2枚、数字の1から5がひとつずつ書かれたカードが1枚ずつ、合計7枚のカードがあります。この中から4枚のカードを選んで並べて、4けたの整数を作ります。このとき、整数は全部で□個できます。
0⃣のカードを2枚使うとき(次の1.から3.)、1枚使うとき(4.から6.)、使わないとき(7.)という大きく3つ、ぜんぶで7つに場合分けする。
- ■0⃣0⃣■のとき…千の位が1~5までの5通り、一の位が残りの4通りあるから 5×4=20通り
- ■0⃣■0⃣のとき…数字を置く場所が変わる以外は1.と同じで20通り
- ■■0⃣0⃣のとき…置く場所が変わる以外は1.と同じで20通り
- ■0⃣■■のとき…千の位が5通り、十の位が4通り、一の位が3通りあるから 5×4×3=60通り
- ■■0⃣■のとき…置く場所が変わる以外は4.と同じく60通り
- ■■■0⃣のとき…置く場所が変わる以外は4.と同じく60通り
- 0⃣を使わないとき…千の位が5通り、百の位が残りの4通り、十の位が3通り、一の位が2通りあるから 5×4×3×2=120通り
以上の合計で360個