場合の数いろいろ③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

いろいろ応用場面がありそうな場合の数の問題としてほかに次のようなものもあります。

 

 

  ボートの乗り方(サレジオ学院2021)

 

6人で川を渡るのに2そうのボートを使います。2そうのポートには区別がなく、1そうにつき最大で4人まで乗ることができます。2そうとも1回だけ使って6人全員が川を渡るとき、ボートの乗り方は□通りあります。

 

右矢印 「2そうのボートには区別が」ないので、6人を2つのグループに分けるときの分け方を考えればよい。

1そうにつき最大で4人まで」乗れるから、2つのグループの分け方は①4人と2人に分かれるか、②3人と3人に分かれるかのどちらか。

  1. 4人と2人の分かれ方…6人から2人を選ぶ組合せを考えればよい(残り4人は自動的に決まる)から6×5÷2=15通り
  2. 3人と3人の分かれ方…6人から3人を選ぶ組合せをまず考えると 6×5×4÷(3×2×1)=20通り。ただし、これだと同じ組み合わせを2回ずつ数えているので、2で割って10通り
以上の合計で25通り

 

 

  ケーキの買い方(昭和女子大附属2019B)

 

3人でお店にケーキを買いに行ったところ、5種類のケーキがそれぞれ3個以上ありました。3人は1個ずつケーキを選んで買います。
① 3人とも同じケーキを買うとき、何通りの買い方がありますか。

 

右矢印 「5種類のケーキ」を①②③④⑤とすると、「3人とも同じケーキを買うとき」の買い方は、3人とも①を買う、②を買う、③を買う、④を買う、⑤を買うの5通り

 

② 3人ともちがう種類のケーキを買うとき、何通りの買い方がありますか。

 

右矢印 3人をAさん、Bさん、Cさんとする。Aさんから順に買っていくと考えると「5種類のケーキ」があるのでAさんの買い方は5通り。BさんはAさんが買わなかった4種類から買うので4通り。CさんはAさんもBさんも買わなかった3種類から買うので3通り。

これらは同時に起こるから 5×4×3=60通り

 

③ 3人のうち、2人が同じ種類のケーキを買い、もう一人は2人とはちがう種類のケーキを買うとき、何通りの買い方がありますか。

 

右差し 正答率が低かった小問です(小問①71.2%、小問②41.1%、小問③11.0%。学校発表

 

右矢印 余事象で考える。

ぜんぶの買い方から「3人とも同じ」になる買い方(小問①)と「3人ともちがう」買い方(小問②)を引くと「3人のうち、2人が同じ種類のケーキを買い、もう一人は2人とはちがう種類のケーキを買う」ときの買い方の数になる。

 

ぜんぶの買い方は、Aさんがケーキ①~⑤のどれを買うかで5通り、Bさんも5通り、Cさんも5通りあるから、5×5×5=125通り

 

よって125-5-60=60通り

 

 

  条件をみたしたところで終了する場合(桐蔭2022算数)

 

コンピュータの画面に記号〇と×のいずれかが表示されるようなソフトがあり、このソフトを使って〇と×を左から順番に表示させることを考えます。例えば、×が3回出るよりも前に〇が2回出る表示の方法は、次の6通りです。
 〇〇、〇×〇、〇××〇、×〇〇、××〇〇、×〇×〇
このようにして表示させるとき、×が3回出るよりも前に〇が4回出る表示の方法は何通りありますか。

 

右矢印 「×が3回出るよりも前に〇が4回出る」ということなので、×2コと〇4コ(××〇〇〇〇)の並べ方を考えればよい(下の表のグレー部分は無視するというだけ)。

よって 6×5÷2=15通り

 

 

  カードの取り出し方(市川中2016第2回)

 

袋の中に、1から20までの異なる整数が1枚に1つずつ書かれているカードが20枚入っています。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 袋の中から2枚のカードを同時に取り出すとき、書かれている数の和が10以下になる取り出し方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 「1から20までの異なる整数が1枚に1つずつ書かれているカード」20枚から2枚取り出したら「書かれている数の和が10以下」だったとき、2枚のカードを数字が大きい順に大、小とすると、小のカードは4、3、2、1のどれか

この小のカードの数字で場合分けして考えると

  • 4のとき、大は5か6で2通り
  • 3のとき、大は4~7で4通り
  • 2のとき、大は3~8で6通り
  • 1のとき…大は2~9の8通り

以上の合計で20通り

 

⑵ 袋の中から3枚のカードを同時に取り出すとき、取り出したカードのうちどの2枚のカードに書かれている数の差も7以上になる取り出し方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 「1から20までの異なる整数が1枚に1つずつ書かれているカード」20枚から3枚取り出したら「どの2枚のカードに書かれている数の差も7以上」だったとき、3枚のカードを数字が大きい順に大、中、小とすると、「中のカード」は8、9、10、11、12、13のどれか

この「中のカード」の数字で場合分けして考えると

  • 8のとき、小は1だけで1通り、大は15~20の6通りなので 1×6=6通り
  • 9のとき、小は1か2で2通り、大は16~20の5通りなので 2×5=10通り
  • 10のとき、小は3通り、大は4通りで3×4=12通り
  • 11のとき…同じように 4×3=12通り
  • 12のとき…5×2=10通り
  • 13のとき…6×1=6通り

以上の合計で56通り 完了