長さや線分比を求める図形問題 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

平面図形の問題では角度や面積を求めさせるものが多いですが、なかには長さや線分比を求めさせる問題もあります。演習量が手薄になりがちなところですが、出題されてもあわてることのないよう、代表的な問題パターンはしっかりとチェックしておきたいところです。

 

 

  角度から辺の長さを求める(夙川中2022第3回)

 

下の図で、BC=3cm、CD=6cm、DE=2cm、FA=4cmです。このとき、ABの長さは□cmです。

 

右矢印 図にある角度の情報から、辺EFを伸ばした線と辺BAを伸ばした線とは直角に交わること、しかもここに30°60°90°の三角形ができていることがわかる。

これと「DE=2㎝、FA=4㎝」とから、DAに補助線を引くとEFと平行となる。また辺EDと辺ABも平行であること、したがって角DABが直角であることもわかる。

となると、辺DCを伸ばした線と辺ABを伸ばした線とが交わる点をPとすると、△PBCは(2つの角が60°より)正三角形なので、△DPA(青)も30°60°90°の三角形になっている。

よって、PB=PC=3㎝、PA:PD=1:2より、AB=1.5㎝

 

 

  角度から線分比を求める(頌栄女子学院2018)

 

右の図で、AC:AD=4:7のとき、BC:CDを求めなさい。

 

右矢印 77°と26°という角度をどう使うかだが、足しても引いても美しい数字にはならない。もう少しいろいろやっていると 77°×2+26°=180° という関係にあることに気づく。

そこで26°を頂点とする二等辺三角形(赤)ができるようにCから補助線を引いてみる(これと辺ADが交わる点をPとする)。

このときPCはABと平行(錯角が77°で等しい)だから、△DPCは△DABと相似な三角形。

そして「AC:AD=4:7」よりAC=④、AD=⑦とすると、上のような長さの関係にあり、AP:PD=④:③となっている。

よってBC:CDも 4:3

 

 

  三角形の性質から線分の長さを求める(三田国際2020)

 

図1の三角形ABCは、辺の長さが3cm、4cm、5cmの直角三角形で、辺ABと直線CDは垂直です。

⑴ 直線CDの長さを求めなさい。

 

右矢印 △ABCは3:4:5の直角三角形なので、これと相似な△CBDに注目するとCD:CB=3:5。

よってCD=4㎝×⅗=2.4㎝

 

図2は、1辺が8cmの正方形と2つの半円を組み合わせた図形で、図のように直線EFがひかれています。

⑵ 直線EFの長さを求めなさい。

 

右差し 円(半円)を見たら円の中心と補助線を結ぶことをまず考えます。本問でもこれ(と小問⑴の誘導)が糸口となります。

 

右矢印 右の半円の中心とFとを結ぶとその長さは4㎝。また正方形の中心とを結ぶとその長さも4㎝。となると次のような二等辺三角形ができている。

このとき下の図の青の三角形は3㎝、4㎝、5㎝の直角三角形になっている。

となると下の図の水色の直角三角形も辺の比は3:4:5だから、その2番目に長い辺は3.2㎝。

EFはこの4倍の長さ(正方形の中心はEFの真ん中の点)なので 3.2×4=12.8㎝ 完了