場合の数いろいろ② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

場合の数は、受験算数のなかではかなりお得な単元です。高校入試や大学入試、公務員試験やSPIなどでほとんど同じレベルの問題が出されたりします。小学生のうちにきちんとマスターしておけば後々の試験勉強がかなりラクになるという分野です。

 

ということで、またいろいろな場合の数を取り上げます。

 

 

  席のすわり方(早稲田佐賀2018)

 

右の図のような、テーブルを挟んで2人掛けと3人掛けのソファーがある。そのソファーに、父、母、兄、弟、妹の5人が座るとき、父と母が隣り合うように並んで座る方法は▢通りある。

 

右矢印 父と母の座る場所で場合分けをする。

❶父と母がテーブルの左側に座るとき

左側(父母)の座り方が2通り、右側(子供)が3×2×1=6通りあるから、2×6=12通り

❷父と母がテーブルの右側に座るとき

イスに次のように番号をつけると

  • 父母の座り方が(1,2)(2,3)(2,1)(3,2)の4通り
  • 子供の座り方は残り3席に自由に座れるから3×2×1=6通り

あるから、4×6=24通り

 

以上の合計で36通り

 

 

  偶数を作る(岡山白陵中2020)

 

1から6までの6つの整数の中から1つの数を選び、7から12までの6つの整数の中から1つの数を選びます。選んだ2つの数をかけたものが偶数になるような2つの数の選び方は何通りありますか。

 

右矢印 余事象を考える。

1~6から1つ、7~12から1つ選ぶとき、ぜんぶの選び方が6×6=36通り。

このうち、選んだ2つの数をかけたものが奇数になるような2つの数の選び方は3×3=9通り

よって「かけたものが偶数になるような2つの数の選び方」は36-9=27通り

 

 

  三角形を作る(東邦大付東邦中2018)

 

2㎝、3㎝、4㎝、5㎝、6㎝の5本のまっすぐな棒のうち、3本を3つの辺とする三角形を作ります。裏返しにして重なるものは同じものとするとき、何通りの三角形を作ることができるか求めなさい。

 

右矢印 これも余事象を考える。

5つの辺から3本を選ぶ選び方がぜんぶで5×4÷2=10通り

このうち三角形にならないものが次の3通りある。

  •  2㎝と3㎝を選んだとき、残りの1本が6㎝または5㎝だと三角形にならない
  •  2㎝と4㎝を選んだとき、残りの1本が6㎝だと三角形にならない

よって 10-3=7通り

 

 

  重複組み合わせ(和歌山信愛2017中期)

 

おすしがのったお皿があります。
まぐろ2つ、いくら3つ、えび4つの中から3つ選びます。何通りの選び方がありますか。ただし、同じ種類のおすしは区別がつかないものとし、「まぐろ2つといくら1つ」や「えび3つ」といった選び方も考えます。また、選ぶ順番は考えません。

 

右矢印 場合分けをする。

  1. 1種類だけ選ぶ選び方…いくら3つかえび3つの2通り
  2. 2種類(2つと1つ)を選ぶ選び方…たとえばまぐろを2つ選ぶとき残り1つはいくらかえびの2通り。いくら2つ選ぶとき、えび2つ選ぶときもそれぞれ2通りずつあるので計6通り
  3. 3種類(ぜんぶ1つずつ)の選び方…1通り

以上の合計で 9通り

別解

いったんまぐろも3つあるものとして考える。

おすし3コを3つのグループに分ける(0コのグループがあってもよい)と考えて、おすし3コ(〇〇〇)と仕切り2つ(||)の並べ方を考える(過去記事)。

左からまぐろ、いくら、えびとすると、例にある

「まぐろ2つといくら1つ」→「〇〇

「えび3つ」→「||〇〇〇」

のようになる。

このとき、合計5つある場所から仕切りをおく場所2つを選ぶ選び方と考えることができるから、ぜんぶで 5×4÷2=10通りある。

ただし、まぐろは実際には2つしかないので「〇〇〇||」の1通りを引いて9通り 完了