色のぬり分け②(場合の数) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

色のぬり分け問題は、いつも同じ手順で

 ぬる場所をぬる色と同じ数のグループに分ける(場所の数と色の数を最初にそろえる)ときぬる場所の分け方が何通りあるか

 ②ぬる色の選び方が何通りあるか

の順に考えるようにする(最後に①×②をする)のがわかりやすいです。

たとえば次の問題。 

 

  4枚のタイル(明治学院中2022第3回)

 

下の図のように、三角形のタイル4枚が壁に貼られています。赤・黄・緑・紫の4色のペンキでタイルを塗っていきます。1枚に1色のペンキを使用するとき、次の問いに答えなさい。

⑴ 4色すべてを使って塗る方法は何通りありますか。

 

右矢印 タイル4枚を「4色すべてを使って塗る方法」なので 4×3×2×1=24通り

(場所の数=色の数なので①は考える必要がなく、②をそのまま計算するだけ) 

 

⑵ 2色を使って塗る方法は何通りありますか。ただし、隣り合うタイルを同じ色で塗ることはできないものとします。

 

右矢印 ①ぬる場所の分け方、②ぬる色の選び方の順に考える。 

  1. ぬる場所…タイル4枚をまず2つのグループに分ける。「隣り合うタイルを同じ色で塗ることはできない」からこれは1通りしかない。
  2. ぬる色…2つのグループを(4色のうち)「2色を使って塗る方法」は 4×3=12通り

これらは同時に起こるから、1×12=12通り

 

⑶ 3色を使って塗る方法は何通りありますか。ただし,隣り合うタイルを同じ色で塗ることはできないものとします。

 

右差し 受験生正答率は小問⑴が64.3%、小問⑵が54.5%、小問⑶が7.6%となっています(学校発表)が手順どおり考えるとこの小問⑶も難なく対応できます。

 

右矢印 同じように①ぬる場所の分け方、②ぬる色の選び方の順に考える。 

  1. ぬる場所…タイル4枚をまず3つのグループに分ける。このときどれか1つのグループだけタイル2枚が入ることになるが、「隣り合うタイルを同じ色で塗ることはできない」ことを考えるとこれは3通り(右上図)
  2. ぬる色…3つのグループを(4色のうち)「3色を使って塗る方法」は4×3×2=24通り
これらは同時に起こるから、3×24=72通り
 
 

  5つの輪(栄東中2020)

 

図のように色がぬられていない5つの輪が並んでいます。この輪の線に色をぬるとき、次の問いに答えなさい。ただし、線が重なる輪には同じ色をぬれないものとします。

⑴ 青、黄、黒、緑、赤の5色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。

 

右矢印 「5つの輪」を「5色をすべて使って色を塗る方法」なので 5×4×3×2×1=120通り

(場所の数=色の数なので①は考える必要がなく②をそのまま計算するだけ)

 

⑵ 青、黄、緑、赤の4色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。

 

右矢印 ①ぬる場所の分け方、②ぬる色の選び方の順に考える。 

  1. ぬる場所…「5つの輪」をまず4つのグループに分ける。このときどれか1つのグループだけ2つの輪が入ることになる。この同じグループにする輪の選び方はぜんぶで5×4÷2=10通りあるが、「線が重なる輪には同じ色をぬれない」ので、ここから隣り合う輪の選び方(4通りある)を引くと6通り(右上図)
  2. ぬる色…4つのグループを「4色をすべて使って色をぬる方法」は4×3×2×1=24通り

これらは同時に起こるので、6×24=144通り

 

⑶ 緑は青と黄を混ぜた色と考えて、緑と青、緑と黄は線が重なる輪には色をぬれないものとします。このとき、青、黄、黒、緑、赤の5色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。

 

右差し このように並べ方に特殊な条件がついているときは別の対応を考える必要があります。

 

右矢印 いちばん扱いづらい(条件の多い)緑をおく場所で場合分けをする。

  1. 緑がはしにない場合…緑の両どなりは必ず黒と赤に決まる。まず「黒→緑→赤」のセットと残り2色の並べ方を考えると3×2×1=6通り。「赤→緑→黒」のセットでも同じく6通りあるから、計12通り
  2. 緑が左はしにある場合…緑の右は黒か赤に決まる。「緑→黒→▢→▢→▢」となる並べ方が3×2×1=6通り、「緑→赤→▢→▢→▢」となる並べ方も同じく6通りあるから、計12通り
  3. 緑が右はしにある場合…②と同じ(左右対称に考えるだけ)なので12通り

これらは同時に起きないので、合計して36通り 完了