数取りゲームの必勝法 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

ボウリングや将棋よりも断然手軽なゲームとして、数取りゲームというものを一度はやったことがあるという人は多いかと思います。その必勝法を知っているという人もおられるかも知れません。

これも入試問題に取り上げられることがあります。

 

  おはじきゲーム(十文字中2021第3回)

 

桜子さんがお兄さんと下のルールに従っておはじきゲームをします。2人の会話を読んで、次の問いに答えなさい。

    <ルール >
①おはじきを交互に取る。
②1度に取るおはじきの個数は1個から5個までとする。
③最後の1個を取った人を負けとする。

桜子:お兄ちゃん、このおはじきゲームをやろうよ!
兄:このゲーム、やったことがあるよ。ほくは強いよ。今、おはじきが19個あるよ。
桜子:じゃあ、私が先に取るよ!3個ね。
兄:じゃあ、ぼくも3個取るね。
桜子:私は5個取るよ。
兄:ぼくは1個取るね。
桜子:私は2個取るよ。
兄:ぼくは4個取るね。
桜子:残ったのは1個だけだ!負けちゃった。もう1回やろうよ!
兄:実はこのゲームには、必勝法があるんだ。後からとる人がある取り方をしていくと絶対に勝てるんだよ。
桜子:えー、そうなんだ。
兄:桜子とぼくが取ったおはじきの個数の合計は、1回目と2回目と3回目でそれぞれどうなっているかな。
桜子:私とお兄ちゃんが取ったおはじきの個数の合計は、それぞれ[ア]個になっているよ。
兄:19=6×3+1だから、桜子が必ず最後の1個を取ることになるんだ。
桜子:すごい、そうなんだね。お兄ちゃん、もし、おはじきが30個あったら、必勝法はあるのかな。
兄:あるよ。30=6×[イ]+[ウ]+1だよね。[エ]が最初に[ウ]個とれば[エ]の人が必ず勝てるよ。

⑴ [ア]、[イ]、[ウ]にあてはまる数をそれぞれ答えなさい。
⑵ [エ]にあてはまるものを、次の (あ)、(い) から選び、記号で答えなさい。
  (あ) 先に取る人    (い) 後にとる人

 

右矢印 「最後の1個を取った人を負けとする」おはじきゲームで、「1度に取るおはじきの個数は1個から5個まで」のとき、残りの個数が6の倍数*+1にいつもなるように取ることをくり返していくと、後からとる人が絶対に勝てる。

 

*本問のゲームの場合、1度に取れる最大の個数は5個なので、それより1多い「6」の倍数を考えることとなる。

したがって19個から始める場合、すでに「残りの個数が6の倍数+1」になっているので、桜子が5個取れば兄は1個取り、桜子が2個取れば兄は4個取るというように、2人が取るおはじきの合計がいつも6になるように取ることをくり返すと、残りはいつも「6の倍数+1」になり、最後の1個のおはじきは必ず桜子が取ることとなる。

 

また30個から始める場合、先に取る人が「残りの個数が6の倍数+1」である25個になるよう、最初に5個取ることで(そのあとは同じように2人が取るおはじきの合計がいつも6になるように取ることをくり返すと)残りはいつも「6の倍数+1」となり、最後の1個のおはじきは必ず後にとる人に行くこととなる。

 

 アー6   イー4   ウー5   エー(あ)

 

 

  アメ取りゲーム(頌栄女子2021第2回)

 

箱の中に何個かのアメが入っていて、AさんとBさんが交互にアメを取り出すゲームをします。1回につき、AさんもBさんも1個、2個、3個のいずれかのアメを取り出し、最後のアメを取り出した方を勝ちとします。まずAさんからアメを取り出すとき、Bさんが必ず勝てるのは、最初に箱の中に入っていたアメの個数がどのような場合のときか答えなさい。またアメの個数がそのような場合、どのようにすればBさんが勝てるのか、その方法も説明しなさい。

 

右差し 必勝法を理解したあとは、こういう説明問題が出たときにも対応できるように、短い言葉で採点者に説明できるようにもしておきたいところです。

 

右矢印 アメの個数が4の倍数のとき。

この場合、たとえばAさんが1個取ればBさんは3個取り、Aさんが2個取ればBさんも2個取るというように、2人が取り出すアメの合計がいつも4になるように取ることをこのあとBさんがくり返すと、残りの個数はいつも4の倍数になるから、最後の1個のアメは必ずBさんが取ることができてBさんが勝てる。

 

こんどは最大3個まで取れるゲームなので「4の倍数」がカギとなります。また最後に取った方が負けのゲームか(前問)勝ちのゲームか(本問)で必勝法も当然変わる(+1をつけて残すつけないで残すか)こととなります。