ボウリング | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

ゲームを使った条件整理問題として、ボウリングが題材にされた問題もあります。

たとえばこちらの問題。ピンの数や点数のところで少しアレンジされていますが、そのあとの点数計算のしかたは一緒なので(ボウリングをしたことのある小学生でも点数計算までできる子はなかなかいないはずなので)まず得点計算のルールをつかむのに少し時間がかかったのではと思われるところです。

 

頌子さんと栄子さんは、遠くに立っている瓶をボールを転がして倒すゲームをしました。

~ルール~

㋐ 瓶はA〜Eの5本あり、右の図のように並んでいる。また、それぞれの瓶を倒した時の点数は異なる。(1本1点とは限らない)
㋑ 1ゲーム10回戦で、1回戦につき2度ボールを投げられる。1投目で倒した瓶は倒したままにしておき、その回が終わったら全ての瓶を㋐の状態に戻す。
㋒ 1投目で5本の瓶全てを倒した場合、得点表では⛝と表す。この場合、その回の2投目は投げない。また、その直後の2投で倒した瓶の合計点数を、その回の得点に加える。
㋓ 2投目までに5本の瓶全てを倒した場合、得点表では〼と表す。この場合、その直後の1投で倒した瓶の点数を、その回の得点に加える。
㋔ 最後の10回戦のみ3度投げられる。10回戦だけは1投目、2投目で5本全て倒してもまた5本の瓶を立てて必ず3回投げる。ただし、10回戦はルール㋒、㋓を用いず、倒した瓶の点数のみをその回の得点とする。

下の表1*は頌子さんの得点表と、その回が終了したときの瓶の状態を表した図です。

*注:図1は見やすいよう分割

次の問いに答えなさい。(頌栄女子2018)
⑴ A〜Eの瓶の点数を求めなさい。

 

 

右矢印 2回戦と3回戦の結果よりCが2点、これと1回戦の結果よりAが6点、これと8回戦の結果よりEが4点、これと4回戦の結果よりDが1点、これと2回戦の結果よりBが5点

 

⑵ 1回戦から10回戦まで全て⛝だった場合の得点を求めなさい。

 

右矢印 1回戦から10回戦まで全て⛝だった場合、たとえば1回戦の得点は、A~Eの合計18点に「その直後の2投で倒した瓶の合計点数」である36点を加えることになるから、54点となる。

同じようにして

  • 9回までの合計得点は54×9=486点
  • 10回は「倒した瓶の点数のみをその回の得点とする」から18×3=54点
となるから、その得点は540点

 

⑶ 下の表2は栄子さんの5回戦までの得点表ですが、一部の点数が汚れで見えなくなってしまっています。5回戦の1投目で倒した瓶を①、5回戦の2投目で倒した瓶を②とし、5回戦で倒した瓶の組み合わせを全て求め、解答用紙の図に書き込みなさい。例えば、1投目にA、2投目にCとEを倒した場合は、図1のように書きます。解答用紙の図を全て使うとは限りません。

 

右矢印 3回戦が⛝なのでまず18点。ここに「その直後の2投で倒した瓶の合計点数」である18点を加えると36点となるから、3回戦のもとの数字は53点

 

4回戦は〼なのでまず18点。ここに「その直後の1投で倒した瓶の点数」である●点(5回戦の1投目)を加えると53+18+●=81となるから、5回戦の1投目は10点

5回戦の2投目は97-81-10=6点とわかる。

 

 

そしてAが6点、Bが5点、Cが2点、Dが1点、Eが4点なので、これをみたす組み合わせは

  1. 1投目がB+D+E=10点、2投目がAで6点
  2. 1投目がA+E=10点、2投目がB+D=6点

の2通りとなり、図にすると次のようになる。

 

完了