秒針のある時計算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

時計算の問題ではときどき秒針が問題にされることもあります。基本的な考え方は同じですが、どうしても計算や答えが複雑になってしまうので、それだけでも難易度が上がってしまうところです。

たとえば次のような出題例があります。

 

  秒針の作る角度①(巣鴨中2018)

 

時計の長針と短針と秒針の位置関係について、次の各問いに答えなさい。ただし、答えが割り切れないときは分数で答えなさい。

⑴ ちょうど8時からスタートして、長針と短針がはじめて直角となるのは、8時何分何秒ですか。

 

右矢印 8時のとき長針と短針は30×8=240°離れている。ここから長針と短針がはじめて直角となるのは、その開きが240-90=150°縮まったとき。これは

 150÷(6-0.5)=³⁰⁰⁄₁₁=27³⁄₁₁分=27分16⁴⁄₁₁秒

がたったときなので、8時27分16⁴⁄₁₁秒

 

 

⑵ ちょうど8時からスタートして、長針と秒針が10回目に直角となるのは、8時何分何秒ですか。

 

右矢印 1回目が90°開いたとき、2回目が270°開いたとき、3回目が1周と90°開いたとき…と数えていくと、10回目は4周と270°開いたときなので、その角度は 360×4+270=1710°

長針は毎分6°=毎秒0.1°、短針は毎秒6°進むから、

 1710÷(6-0.1)=¹⁷¹⁰⁰⁄₅₉=289⁴⁹⁄₅₉秒後

なので、8時4分49⁴⁹⁄₅₉秒

 

 

⑶ ちょうど8時からスタートして、長針と短針がはじめて重なるとき、長針と秒針の作る角のうち小さい方の角度を求めなさい。

 

右矢印 8時のとき長針と短針は30×8=240°離れている。ここから長針と短針がはじめて重なるのは ⁴⁸⁰⁄₁₁分後(=240÷(6-0.5))の 8時43⁷⁄₁₁分。

 

このとき長針の角度(12時の位置を0度としたとき)は ⁴⁸⁰⁄₁₁×6=²⁸⁸⁰⁄₁₁度=261⁹⁄₁₁度 

秒針の角度は、⁷⁄₁₁分=⁴²⁰⁄₁₁秒なので、⁴²⁰⁄₁₁×6度=²⁵²⁰⁄₁₁度=229¹⁄₁₁度

よって 261⁹⁄₁₁-229¹⁄₁₁=32⁸⁄₁₁度

 

 

  秒針の作る角度②(サレジオ学院2022B)

 

時針、分針、秒針の3つの針が動く時計があります。秒針は1秒ごとに1目盛りずつ、分針は60秒ごとに1目盛りずつ、時針は12分ごとに1目盛りずつ動きます。
12時1分0秒から数えて15回目に秒針が時針と分針の作る角をちょうど半分にする時刻は、12時[ア]分[イ]秒です。

 

右差し 秒針、分針は「1目盛りずつ」動く、とくに「時針は12分ごとに1目盛りずつ」動くなど、ふつうの時計算とは実は大きく違うことにいかに早く気づけるかがポイント。12時1分台にはない、12時2分台には2回ある、11回目から1つずつズレてしまうなどいろいろ落とし穴があるので、数えあげた方が確実な問題です。

 

右矢印 「秒針が時針と分針の作る角をちょうど半分にする時刻」を1回目から数えていくと

①12時2分1秒、②12時2分31秒、③12時4分2秒、④12時4分32秒、⑤12時6分3秒、⑥12時6分33秒、⑦12時8分4秒、⑧12時8分34秒、⑨12時10分5秒、⑩12時10分35秒、⑪12時13分7秒、⑫12時13分37秒、⑬12時15分8秒、⑭12時15分38秒、⑮12時17分9秒

となるから 12時17分9秒