時計算の出題パターン(小学生の時計はときどき左回り⑦) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今回は時計算のその他出題パターンの紹介になります。

いずれも一度は解いておかないと初見での対応はなかなか厳しいものばかりです。

 

  長針と短針の重なる回数(豊島岡2022第2回)

 

ある時刻に、長針と短針がびったりと重なっていました。この時刻から100時間後までに、長針と短針がびったり重なることは何回ありますか。ただし、初めにびったりと重なっているときは、数えないものとします。

 

右矢印 池のまわりの旅人算と同じように考える。

時計の1まわりの距離を12とすると、長針の速さは時速12、短針の速さは時速1。なので長針が短針に追いつくには12÷(12-1)=¹²⁄₁₁時間かかる。

100時間後までに、長針と短針がびったり重なることは何回ありますか」=100時間で長針が短針に何回追いつきますかという問題なので

 100÷¹²⁄₁₁=1100÷12=91.66… 

より91回

 

 

  長針と短針が入れ替わる(六甲学院中2021・B日程)

 

午前11時から正午までのある時刻に仕事を始め、正午から午後1時の間のある時刻に仕事を終えました。仕事を始めたときと終えたときの時計は、図1、図2のように長針と短針の位置がちょうど入れ替わっていました。仕事を始めたのは午前11時何分ですか。ただし、答えが割り切れない場合は分数で答えなさい。

右矢印 長針と短針の位置がちょうど入れ替わるとき、短針と長針の回った角度の和は360度の倍数になる。

 

仕事をした時間は、午前11時ちょっと過ぎから午後1時ちょっと前までの約2時間。そのような短針と長針の回った角度の和は 360×2=720°

このうち短針が動いた角度(青)は、短針:長針=1:12の速さで動くから

 720×¹⁄₁₃=⁷²⁰⁄₁₃度

 

そして11時から12時の間で、長針と短針の作る角の大きさがはじめて⁷²⁰⁄₁₃度になるのは(11時ちょうどの時点で長針と短針は30度はなれているから)

(⁷²⁰⁄₁₃-30)÷5.5=³³⁰⁄₁₃ײ⁄₁₁=⁶⁰⁄₁₃=4⁸⁄₁₃分後

なので、仕事を始めたのは午前11時4⁸⁄₁₃分

 

 

  角が2等分される(麻布中2022)

 

次の図1、図2の時計について、以下の問いに答えなさい.
⑴ 2時から3時までの1時間で、図1の点線と短針の間の角度が、長針によって2等分される時刻を答えなさい。ただし、秒の値のみ帯分数を用いて答えること。

 

右矢印 時計をいったん2時にもどす。

と同時に架空の第3の針を考える。架空の針は長針の2倍の速さ=毎分12°で進むものとする。

 

この架空の針が短針に追いついたときに、長針はそのちょうど半分のところにあり、図1の形になる

 

2時の針の位置で長針と短針は(架空の針と短針も)60°はなれている。この距離60°を追いつく旅人算の考え方で、架空の針が短針に追いつく時間を考えると

 60÷(12-0.5)=¹²⁰⁄₂₃分後

 

これを時刻でいうと 2時5⁵⁄₂₃分=2時5分³⁰⁰⁄₂₃秒=2時5分13¹⁄₂₃秒

 

 

⑵ 1時から2時までの1時間で、短針と長針の間の角度が、図2の点線によって2等分される時刻を答えなさい。ただし、秒の値のみ帯分数を用いて答えること。

 

右矢印 時計をいったん1時にもどす。

と同時に短針が5時の位置*にありこの短針だけが反対向きに進むものと考える。

*3時の点線を対象の軸として1時の短針の位置とちょうど線対称になる位置

このように考えると、5時の針の位置で長針と短針は150°はなれており、この距離150°のところで出会う旅人算の考え方で、長針が何分後に短針に出会うかを求めると

 150÷(6+0.5)=³⁰⁰⁄₁₃分後

 

これを時刻でいうと 1時23¹⁄₁₃分=1時23分⁶⁰⁄₁₃秒=1時23分4⁸⁄₁₃秒 完了