以前の記事に関連して、今回は時計算です。
文字盤のない時計を使った問題がときどき出されています。
解き方のコツを一度つかめばたいていの問題に対応できるはずなので、次のような問題で考え方を整理しておきたいところです。
文字盤のない時計①(高槻中2022)
右の図のように、時計の長針がちょうどある数字のところを指していました。長針と短針のつくる角の大きさが50°のとき、時計は何時何分か求めなさい。
短針に注目するのがポイント。「長針と短針のつくる角の大きさが50°」で「長針がちょうどある数字のところを指して」いるのであれば、文字盤の数字の間隔は30°(=360°÷12)だから、短針はそのつぎの数字からさらに20°進んだ位置にある(50°=30°+20°)。
となると(短針は毎分0.5°進むので)これは●時40分を指す。これで8の位置が決まる。
これより短針は9と10の間にあることがわかるから 9時40分
文字盤のない時計②(甲陽学院中2018・第2日)
右図のように1時から12時までをそれぞれ表す12個の目盛りのついた時計で、ある時刻に長針がちょうど目盛りを指し、長針と短針のなす角度が100°でした。ある時刻は▢時▢分または▢時▢分です。(図は一例です。)
短針に注目する。「長針がちょうど目盛りを指し、長針と短針のなす角度が100°」のとき(「図は一例です。」とあるように)考えられる短針の位置は2つあり、
①その3つ先の数字からさらに10°進んだ位置(100°=30°×3+10°。上の図)か
②その8つ先の数字からさらに20°進んだ位置(260°=30°×8+20°。下の図)
のどちらか。
そして短針は毎分0.5°進むことから、
①は●時20分を指し、これで4の位置が決まる。このとき短針は7と8の間。
②は■時40分を指し、これで8の位置が決まる。このとき短針は4と5の間。
よって 7時20分と4時40分
文字盤のない時計③(早稲田実業2020)
右の図は、文字盤のない時計を長針が真上にくるようにおいたものです。このとき、
と
の角の大きさの比は1:2、
と
の角の大きさの比は3:1となりました。次の①、②に答えなさい。
①
の角度を求めなさい。求め方も書きなさい。
すると=60°-①、
=30°-②と表せる。ここで
:
=3:1より
(60°-①):(30°-②)=3:1 内項の積=外項の積より 90°-⑥=60°-①
となり、⑤=30°より①=6°
② この時計は何時何分を表していますか。
いま
の角度が18度より(短針は1時間で30°進むから)いまの時間は●時36分だとわかる。これで6や7の位置が決まる。
これより短針は9と10の間にあることがわかるから 9時36分