そのまま学習教材になる入試問題(平面図形) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

平面図形の分野にもそのまま学習教材として使えそうな入試問題があります。

たとえばこちらの問題。

 

右の図で、ABとCDは点Eで垂直に交わっています。円の中心をOとします。AE、BE、CE、DEの長さは、それぞれ8㎝、18㎝、6㎝、24㎝です。また、円の面積は785㎠です。このとき、斜線部分の面積の和は何㎠ですか。
次の会話文を参考にしてください。(淑徳与野2021)

明子先生:この問題のヒントを出しましょう。補助線をかいてみてください。
佳子さん:円の直径の点線が気になる…
史子さん:ABに平行な直線か…
明子先生:いいですねぇ。ABに平行な直線を、点線の直径に関して線対称な位置にかいてみましょう。
佳子さん:上下の対称が見えてきた。でも、まだわからないなぁ。
史子さん:上下の対称と、左右の対称も見えたらいいのかな。
明子先生:冴えてますね!そうです、同じようにCDに平行な補助線もかいてみましょう。
佳子さん:あっ!面積が同じ部分がいくつか見つかりました。
史子さん:面白い!私こういうの大好きなんです。

 

右矢印 会話文にある補助線2本(赤)を引いてみる。

すると左側の図形(ア)は、補助線でできた㋐の面積と等しい。また上側の図形(イ+ウ)は、その左側(イ)は㋑と、右側(ウ)は㋒と面積がそれぞれ等しい。

つまり、全体の円から、斜線部の面積を2倍したものを引くと、真ん中にできた長方形の面積となるのがわかる。

ここで、わかっている長さを図に書き込むと次のとおり。

となると長方形の面積は18×10=180㎠、「円の面積は785㎠」だから、

 斜線部分の面積の和=(785-180)÷2=302.5㎠

 

 

  応用問題(灘2019)

 

右の図のような点Oを中心とする円について、斜線部分の面積の和は▢㎠です。

 

右矢印 斜線部分にくっついている2コの直角三角形をつけたすと上で求めたのと同じ形ができる。これに、わかっている長さを入れていく。

すると長方形の面積は10×2=20㎠

円の面積は(その半径は右上に取り出した黄色い直角二等辺三角形の対角線と等しいから)半径×半径=50㎠を使うと 50×3.14=157㎠

またつけたした三角形2コの面積の和は4×12÷2+2×6÷2=30㎠

よって斜線部分の面積の和は (157-20)÷2-30=38.5㎠ 完了