条件整理問題がおもしろい⑩(すごろく) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

すごろくの問題では場合の数とからめて調べ上げをする能力をためすものも少なくないですが(過去記事)、問題文のルールから論理的に答えを考えることができるかというもっと条件整理問題寄りのものも出されています。

たとえば次の問題。

 

聖子さんは下の図のボードを使って、さいころ遊びをしました。初めにボードのスタート地点にコマを置き、次のルールに従ってコマを進め、ゴールを目指します。

ルール
•さいころをふり、さいころの目によって次のようにコマを進めます。

 
•さいころをふっても進むことができない場合は、その場所に1回とどまります。

聖子さんはこのゲームを2回行いました。次の問いに答えなさい。(玉川聖学院2022)
 

⑴ 1回目では、スタートから一度もとどまることなく、5回さいころをふってゴールしました。このとき、さいころの目の合計で考えられる最大の数と最小の数を答えなさい。

 

右矢印 このボードの場合、「スタートから一度もとどまることなく、5回さいころをふってゴール」するようなコマの進め方は、「↘↘↘↓→」のように、ななめに3回、下に1回、右に1回進む組合せ(順序は関係なく)しかない。

あとはサイコロの目の大小だけの問題となるので

 最大の数…4が3回、6が1回、2が1回出るときで 12+6+2=20

 最小の数…3が3回、5が1回、1が1回出るときで 9+5+1=15

 

⑵ 2回目では、ボードの㋐の地点を通ってゴールしました。このとき、聖子さんがさいころをふった回数は10回以内でした。さいころの目の合計で考えられる最大の数と最小の数を答えなさい。ただし、途中の考え方も解答らんにかくこと。

 

右矢印 「㋐の地点を通ってゴール」する最小の回数は5回。となるとさいころの目の合計で考えられる最小の数は小問⑴で求めた15

 

なお、回数がふえても最小のさいころの目である1をできるだけ多く使った方が全体がもっと小さくなるという可能性も一応検討しておくと、本問では「→」(=1)を使うときはいつも「↓」(=5)もいっしょに使う必要があり、そうなると「↘」(=3)を1コを使った方が全体は小さくなるので、回数を最小にすることがそのままさいころの目の合計を最小にすることになると考えていいことになります。

つぎに最大の数を考えると「さいころをふった回数は10回以内」なので、10回ぜんぶを使うときが最大になる。しかも6をできるだけ多く使うときが最大になる。となると「さいころをふっても進むことができない場合は、その場所に1回とどまります。」のルールをできるだけ多く使いたいところで、これは㋐を通る以上は下図の㋑の地点でしか使えない。

そうなると

 ❶㋐までは最小回数である3回で進み、

 ❷㋐から㋑まではまっすぐ2回で進み、

 ❸㋑の地点で6をできるだけ多く出し(=4回)、

 ❹10回目に「→」(=2)を出してゴールする

ときに最大となる。

 

それぞれについてさいころの目の合計が最大となるように考えると

 ❶→↘↘の組合せで 2+4×2=10

 ❷↓↓で 6×2=12

 ❸6×4=24

 ❹→で2

となり、最大の数は10+12+24+2=48 完了