ほとんどパズルの入試問題 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事で、テトリスをモチーフにしたと思われる問題を紹介しました。

 

ほかにもパズル的な要素が強めの入試問題がときどき出されています。

たとえばこちらの問題がそうですが、それでも算数のセンスをきちんと磨いてきた小学生であれば初見でも解けるはずだというものになっています。

 

A君、B君の2人は、下校途中に、右図のような十文字の看板を見つけました。
・・・・・・・・・・・・
そのときA君が「この十文字を5枚の断片に切って、並べかえたら、正方形が作れるよ。」と言いました。
B君は「4枚の断片に切って、並べかえても、できるのではないかな。」と二人で考えました。
次の問いに答えなさい。
ただし、十文字の図形の各辺の長さはすべて等しいものとします。(啓明学園2020・算数特待)

⑴ 下の図は、十文字の頂点と各辺の真ん中に●を書き入れたものです。この十文字を5枚の断片にして、正方形を作るとき、どの様に切りとればよいですか。切り取る線を書き入れなさい。

 

右矢印 ●と●の間を1とすると、この十文字の面積は20。これはそのままの形では正方形にはならず(4×4=16、5×5=25より)、これを正方形にするにはたとえば次のように真ん中の小さい正方形(面積4)を直角三角形(面積4)4コでまわりをかこむ形が考えられる。

この正方形をもとの図形に重ねてみると、真ん中の正方形どうしがぴったり重なるように少し回転させたときにうまく線どうしが重なり「十文字を5枚の断片にして、正方形を作る」ことができるのがわかる。

 

 

⑵ 下の図は、方眼紙の中に十文字を書き入れたものです。この十文字を4枚の断片にして、正方形を作るとき、どの様に切りとればよいですか。切り取る線を書き入れなさい。

 

上で使った正方形(面積20)を下に2(右に2などでも同じ)ずらしてみると、こんどは真ん中の小さい正方形(面積4)がちょうど十文字の下の正方形と重なることがわかる。このとき十文字はうまく「4枚の断片」になっている。

よって「切り取る線」は次のとおり(学校発表の模範解答から引用)。