マニアックな受験算数「レピュニット数」 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

素数平方数モンモール数フィボナッチ数カタラン数など「〇〇数」と名のつくものをこれまでいくつか取り上げてきましたが、まだ取り上げていないマニアックな〇〇数として今回「レピュニット数」を取り上げます。

 

数字自体はだれでも一度は見たことがあるはずで、たとえば次のような出題例があります。

 

  レピュニット数(賢明女子学院2022)

 

すべての位が1の整数をレピュニット数といいます。例えば、1や11や111のことです。これについて、次の問いに答えなさい。
⑴ 3けたのレピュニット数と4けたのレピュニット数をかけるといくつになりますか。

 

右矢印 111×1111=123321

 

⑵ 11×がレピュニット数になるような、最も小さい2以上の整数を求めなさい。

 

右矢印 小さい方から順に見ていく。

(11×1=11は条件をみたさず)最初に11×▢=111を考えると、これをみたす整数▢はない。

1つ位を上げて、11×▢=1111をみたす▢であれば、=101がある。

 

⑶ 111×+11×=987となるような、に当てはまる整数を求めなさい。

 

右矢印 が大きい方から順に見ていく。

イ=9だと条件をみたさない(111×9=999)。

イ=8だと 111×8+11×9=987 より条件をみたすから =8=9

 

 

  レピュニット数の素因数分解①(東京成徳大学中2021)

 

1、11、111、1111について、2つの自然数の積で表すと、「1は、1×1の1組」、「11は、1×11と11×1の2組」、となります。111と1111はそれぞれ何組ありますか。

 

右矢印 積が「111」となるのは 1×111、3×37、37×3、111×1の4組

積が「1111」となるのは 1×1111、11×101、101×11、1111×1の4組

 

111=3×37」と「1111=11×101」の2つはいろいろな場面で頻出するので、この2つの素因数分解は知識としておさえておきたいところです。

 

  レピュニット数の素因数分解②(海陽中2022)

 

⑴ 1111を1でない2つの整数の積で表しなさい。

 

右矢印 「1111を素因数分解しなさい」ということなので 1111=11×101

11を約数に持つことは少し考えるとわかる。

 

⑵ 111111は1でない5つの整数の積で表せます。このうち、一番大きな整数を答えなさい。

 

右矢印 これも「111111を素因数分解しなさい」とまずは読み替える。また小問⑴をヒントに「111111」も11を約数に持ちそうだとすぐ気づく。

 

❶その「11」からスタートすると 111111=11×10101。

この10101は(各位の数字を足すと3より)3の倍数なので、111111=11×3×3367。

こうして「5つの整数」のうち11と3はすぐ見つかるが、このあとの素因数分解(3367=7×13×37)が少し気づきにくい。

 

❷いったんリセットして、こんどは「111」からスタートしてみると、前問でもあったように111=3×37という素因数分解は頻出。また小問⑴をヒントに「111111」は11を約数に持つとわかるから

 111111=111×1001=3×37×3×11×91=3×7×11×13×37

とこちらの方が少しだけ分解しやすい。

 

こうしていずれかの考え方で素因数分解すると「一番大きな整数」は37とわかる。

 

 

  レピュニット数の積(西大和学園中2022本校)

 

1×1=1、11×11=121、111×111=12321となります。11111×11111は桁の数となり、1111111111×1111111111を計算した結果の各位の数を足すとその合計はとなります。

 

右矢印 1×1→1桁、11×11→3桁、111×111→5桁と規則的にふえているから「11111×11111」は9桁。筆算の形で考えてみると明らかだが、位が上がらない限り、この周期性は続く。

 

一方「1111111111×1111111111」と10ケタ×10ケタになると繰り上がりが生じる。

たとえば次のように考えると、その結果は1234567900987654321となることがわかり、「各位の数を足すと」合計82になる。

 

 ①1けた…1×1=1

 ②2けた…11×11=121

 ③3けた…111×111=12321

    :

 ⑧8けた…123456787654321

 ⑨9けた…12345678987654321

 ⑩10けた…123456789『10』987654321

 

こうして手を動かすと、レピュニット数どうしのかけ算は真ん中の数字に注目するのがポイントだと気づく。つまり

❶9ケタ×9ケタまでは繰り上がりが起きないので、真ん中の数字は1→2→3→…→8→9と周期的に1ずつふえていくが、

❷10ケタ×10ケタになると真ん中の位で繰り上がりが起きて

 123456789『10』98…

    →  123456790098…

となる。