以前の記事の続きになります。
ニュートン算がどうしてもマスターできないというときは、ここでも万能の面積図を使う手があります。前回取り上げた典型的なポンプの問題を面積図で解くと次のようになります。
毎分▢Lの割合で水がわき出ている池があります。この池の水は、毎分30Lずつくみ上げるポンプを使うと12分でなくなり、毎分25Lずつくみ上げるポンプを使うと18分でなくなります。(慶應義塾中等部2022)
❶1つめの情報「毎分30Lずつくみ上げるポンプを使うと12分」より、タテが毎分30L、横が12分の長方形を書く。
❷2つめの情報「毎分25Lずつくみ上げるポンプを使うと18分」より、タテ毎分25L、横18分の長方形を左側が重なるように書く。
ふつうの仕事算だとこの2つの面積が同じになる。しかしニュートン算では「じゃま」(過去記事参照)が入っているのでそうはならない。この「じゃま」を取り除いてふつうの仕事算に変えてしまうことが目的。
❸ここで横に1本線を引いて長方形をスパッと切るのがポイント。
❹この線から下(グレー)を「じゃま」と考える。そうしてはじめて線から上の2つの長方形(赤と青)の面積が同じになる。
わかっているタテとヨコの情報を記入していくと、青のタテは毎分10Lとわかり、グレーのタテは毎分15Lとわかる。
よって、わき出ている水の量(じゃま)は毎分15L
類題1(鷗友学園2022)
友子さんは、毎日同じ枚数の色紙にイラストをかいています。イラストがある程度の枚数たまったので、学さんにプレゼントすることにしました。毎日同じ枚数のイラストをかくことを続けながら、毎日6枚ずつプレゼントしていくと、ちょうど12日でなくなります。毎日15枚ずつプレゼントしていくと、ちょうど3日でなくなります。
毎日5枚ずつイラストをプレゼントしていくと、イラストはちょうど何日でなくなりますか。
イラスト色紙がなくなっていくところに「毎日同じ枚数の色紙にイラストをか」くという形の「じゃま」が入るニュートン算の問題だとまずは読み取る。
「毎日6枚ずつプレゼントしていくと、ちょうど12日」「毎日15枚ずつプレゼントしていくと、ちょうど3日」という2つの情報をもとに面積図を書くと次の通り。
ここで赤と青の面積は同じだから、青のタテは3枚とわかり、グレーのタテも3枚とわかる。
つまり、毎日かく色紙の枚数(じゃま)は3枚で、たまっていたイラストは36枚(=(6枚-3枚)×12日)。
よって「毎日5枚ずつイラストをプレゼントしていく」ときにイラストがなくなるのは
36枚÷(5枚-3枚)=18日
類題2(海城中2022)
ある店に、午後6時に何人かの客がいました。この店には、一定の割合で客が来店します。3分間に8人の割合で客が店を出て行くと、午後7時51分に客がいなくなります。また、2分間に5人の割合で客が店を出行くと、午後8時28分に客がいなくなります。午後6時に店にいた客は何人ですか。
来店客がいなくなっていくところに「一定の割合で客が来店」するという形の「じゃま」が入るニュートン算の問題。客が出ていくのが「3分間に8人の割合」(=毎分2⅔人)なら111分(午後6時~7時51分)で、「2分間に5人の割合」なら148分(午後6時~8時28分)で店はカラっぽになるという2つの情報をもとに面積図を書くと次の通り。
ここで赤と青の面積は同じだから、青のタテは毎分0.5人とわかる(来店客数(じゃま)は毎分2人だったこともわかるが解答には必要ない情報)。
よって「午後6時に店にいた客」は 毎分0.5人×148分=74人