売買損益でも使える面積図 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

売買損益の問題(損益算)で線分図や表の使い方がいまいちピンとこないということであれば、万能な面積図をここでも使うことができます。

次のような使い方になります。

 

ある店では、200枚の皿を1枚280円で仕入れて、10%の利益を見込んで定価をつけました。このうち何枚かが割れて売れなくなりましたが、残りの皿をすべて定価で売ることができたので、利益は1288円でした。次の問いに答えなさい。
⑴ 皿1枚の定価は何円ですか。
⑵ 割れた皿は何枚ですか。
  (智辯学園奈良カレッジ中2020年)

 

  ❶「仕入れ金額」の長方形を書く

タテを原価(仕入値)、ヨコを数量として横長の長方形をまず書く。

      

  ❷「定価での売上金額」の長方形を書く

この左側に重ねて「定価での売上金額」(タテが定価、ヨコが定価で売れた数量)の長方形をタテ長に書く。上にはみ出たところが「利益」(定価で売れた分の)となる。

 
10%の利益」より定価は308円。原価と分けて28円だけタテに記入。定価で何枚売れたかまだわからないのでヨコはとりあえず何も書かない。

  ❸売れ残った部分で利益や損がいくら出たか

右側の長方形は定価で売れなかった部分だが、すべて「割れた皿の金額」(その枚数を□枚とする)なのでそのぜんぶが損となり、定価で売れた分の「利益」からこれを引いたものが最終利益(1288円)となる

 

  ❹最終利益で式を立てて計算する

最終利益を計算するときは、必要あれば「つけたし」(過去記事)を利用して、黄色部分を両方につけたして計算する。

最終利益1288円をもとに式を立てて解くと

  利益-損=(青+黄)-(赤+黄)=28円×200枚-308円×▢枚=1288円

  5600-308×▢=1288  308×▢=4312  ▢=14枚

 

 

  類題1(三田学園中2020年)

 

原価が250円のペンを何本か仕入れ、原価の2割増しの定価で500本売れました。何本か売れ残ったので、それらを定価の2割引きですべて売ったところ、利益は15350円でした。最初に仕入れたペンの本数は何本ですか。

右矢印 仕入れた本数はわからないので、売れ残った本数を▢本として面積図を書く。

定価の2割引(240円)は原価を下回る(損が出る)ことに注意して、最終利益15350円で式を立てて解くと(本問でつけたしは不要)

  利益-損=50円×500本-10円×▢本=15350円

  25000-10×▢=15350  10×▢=9650  ▢=965本

よって「最初に仕入れたペンの本数」は1465本

 

  類題2(品川女子学院2020第2回)

 

ある品物を120個仕入れ、仕入れ値の2割増しの定価をつけて売りましたが、48個売れ残りました。そこで、定価の3割引きにしたところ、すべて売れて利益が全部で1680円になりました。この品物1個の仕入れ値は□円です。

 

右矢印 原価はわからないのでこれを100とおいて面積図にする。

 

定価の3割引(84)はやはり原価を下回る(損が出る)ことに注意して、最終利益1680円で式を立てて解くと(本問でもつけたしは不要)

  利益-損=20×72個-16×48個=1680円  

いったんぜんぶを24で割って 

  20×3-16×2=70円  28=70円  1=2.5円

よって「品物1個の仕入れ値」は250円