すべてが相似になる(その2) | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

すべての円は相似だという話を前回しましたが、同じく正方形もすべて相似になるため、正方形と組み合わせて円の面積比を求めさせるパターンの問題がときどき出されます。

たとえば次のような問題です。

 

  大小の円の面積①(芝浦工業大学附属中2020)

 

右の図のように、小さい円の外側に正方形をかき、さらにその正方形の外側に大きい円をかきました。小さい円の面積が9.42㎠のとき、大きい円の面積は何㎠ですか。

 

87 芝浦工業大学附属中学校 2023年度用 5年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

右矢印 小さい円の内側にも正方形を書いてみる(45°回転した形で書くとわかりやすい)。

すると小さい正方形と大きい正方形の面積比は1:2であるとわかる。小さい円と大きい円の面積比もこれと同じ1:2のはずだから、小さい円の面積が9.42㎠なら、大きい円の面積は18.84㎠

 

 

  大小の円の面積②(洗足学園2022第3回)

 

下の図のように、円①の周上に4つの頂点がある正方形①をかきます。次に、正方形①の4辺に接するような円②をかき、この円②の周上に4つの頂点がある正方形②をかきます。この手順を繰り返して円と正方形を交互にかいていきます。円①の面積が400㎠のとき、円①と円④で囲まれた部分の面積は何㎠ですか。

 

310洗足学園中学校 2022年度用 4年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

右矢印 正方形①と正方形②の面積比は1:½。同じく正方形②と正方形③の面積比も、正方形③と正方形④の面積比も1:½。つまり正方形①:正方形④=1:⅛。

これに接する円についても同じことが言えるので 円①:円④=1:。この差のが求める「円①と円④で囲まれた部分の面積」となる。

円①の面積が400㎠」なので求める面積は400×350㎠