小学校のお受験から公務員試験やSPI試験(多くの企業で採用されている入社試験の一つ)まで広く出題されている問題の一つに「折り紙展開」というものがあります。折り紙を何回か折って切って広げたらどういう形になるかという空間認識能力を試すもので、中学入試でも少なからず取り上げられています。
そのコツは簡単にマスターできるものであり、将来的に役に立つ可能性もあるので、一度は取り組んでおきたいところ。たとえば次のような問題が出されています。
その1(東京農大一中2020第1回)
図1のように正方形の紙を四つ折りにし、図2のように四すみのうちの1つをおうぎ形状に切り取ります。この紙を開いたときにできる図形として正しいものを、次の(ア)~(力)の中からすべて選び、記号で答えなさい。
「四つ折り」の問題なので、図2をそれぞれの図形の右上¼のところにあててみる。
まず(ア)にはこのおうぎ形があり、2回広げるとこの円と重なるので条件に合う。
(エ)(オ)も同じくこのおうぎ形があり、2回広げるとそれぞれの図形と重なるので条件に合う。
しかし、(ウ)は半円形で形が違うし、(力)はおうぎ形が2コあるので条件に合わない。
また(イ)はたしかに同じおうぎ形だが、これと右下のおうぎ形(黄色)とは線対称になっていないので重ならず、条件に合わない。
よって正しいものは ア、エ、オ
その2(成城中2020)
正方形の折り紙があります。下の図のように点線で折って、直角二等辺三角形の形にします。
⑴ 図2の折り紙から図3のように黒く塗った部分を切りぬいて穴を開けました。この折り紙をもとの正方形に広げたときに空いている穴の個数は全部で何個ですか。
こんどは八つ折りなのでこの三角形を正方形の右上⅛のところにおいてみるという同じアプローチでも正解できますが、つぎのように計算で出すのが早い問題です。
1回折るごとに大きさが半分→半分→半分となっていくから、これを広げていくと逆に 2倍×2倍×2倍=8倍 になる。
よって、この三角形の真ん中に穴を1コあけたら、広げると8倍の8個になる。
⑵ 図2の折り紙から図4のように黒く塗った部分を切り取りました。この折り紙をもとの正方形に広げたときに開いている穴の個数は全部で何個ですか。
この三角形に開いた3つの穴の合計は1⅛コなので、これを広げると8倍の9個になる。