以前の記事の続きです。
ここでふれたように、加比の理は図形問題で使われることが多いのですが、これを文章題(倍数変化算)で使うパターンを今回取り上げます。
A君とB君とC君の3人の所持金の比は最初9:8:5でした。3人がそれぞれ買い物をしたところ、A君とC君の残った所持金の差は3000円、B君とC君の残った所持金の差は1800円になりました。3人が使った金額の比が7:8:5だったので、A君の最初の所持金は□円です。(青山学院中2021)
「所持金の比は最初9:8:5」だったが「3人が使った金額の比が7:8:5」となるような買い物をしたという状況。
このうちB:C=8:5の部分は2つの連比に共通しているので、加比の理より、残った金額の比も同じくB:C=8:5となる。
この差③が1800円(「B君とC君の残った所持金の差は1800円」)なので①=600円。
よって、残った所持金はB=4800円、C=3000円。また「A君とC君の残った所持金の差は3000円」よりAは6000円*。
それ以外の金額も求めていく。まず所持金についてA君が9⃣、C君が5⃣とおき、使った金額についてA君が⑦、C君が⑤とおいてみる。
このCの列を見ると 5⃣=⑤+3000円 という関係にある。両辺を5で割って 1⃣=①+600円
この結果をAの列(9⃣=⑦+6000円)にあてはめると ⑨+5400円=⑦+6000円
両辺を見比べて ②=600円 より ①=300円
よってA君の最初の所持金は 9⃣=⑦+6000円=8100円