以前の記事の続きです。
今回は平均算を取り上げます。
平均算の問題で、ふつうに計算しようとすると膨大な計算量になってしまうような問題が出されることがあります。たとえば次の問題。
中学1年生がテストを受けました。中学1年生はA組、B組、C組の3クラスあり、それぞれ29人、31人、30人がテストを受けました。中学1年生全体、A組、B組の平均点は、四捨五入しないで計算することができて、それぞれ59.1点、62点、58点でした。このとき、C組の平均点は何点ですか。ただし、答えは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。(渋谷教育学園渋谷2022)
A組、B組、C組の人数と平均点を表にすると次の通り。
ここからふつうに「C組の平均点」を求めようとすると、62×29や58×31などの大きな数の計算が必要になり大変。面積図や天びん図を使えば少しだけ計算はラクになりそうだがそれでも大変。うまい計算の工夫がないかと少し考えてみる。
たとえば31円、32円、36円の平均を出すとき、ぜんぶを足して3で割るのではなく(共通する30円を基準に)下1ケタだけの平均3円(=(1+2+6)÷3)を出すことで全体の平均33円を出すということを日常的にやっている。
この考え方を利用したいが、50点を基準にしてもまだ大きな計算が残ってしまうし、58点を基準にすると計算結果がマイナスになってしまう。
そこで逆に一番大きい点数62点を基準に使い、62点との差で考えてみる。
するとさっきの表は
と書き直せる(Cのところは□とおいた)。
これで計算すると(A組については計算不要なので残りだけ計算すると)
4点×31+□点×30=2.9点×90 124+□×30=261
□=137÷30=4.5666…
これが62点からの差なので、これを62点から引くと
62-4.5666…=57.4333…
小数第2位を四捨五入して 答. 57.4点
天びん図を使った考え方と関連する過去記事はこちら