やっぱり便利な「和分の積」を仕事算でも使ってみる | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

仕事算のなかにも「和分の積」が使えるものがあります(少しヒネった仕事算だと使えないのが難点)。たとえば次のような問題。途中計算のプロセスが省略できて結構な時間短縮になるはずです。

 

  その1(芝浦工業大学附属中2020)

 

ある作業を終えるのに芝田君は14分かかり、田浦君は21分かかります。この作業を2人ですると何分何秒かかりますか。

 

右矢印 和分の積より (14×21)/(14+21)= 42/5 分 = 8分24秒

 

  その2(森村学園中2021第3回)

 

ある水槽を満水にするのに、Aの管だけでは20分、Bの管だけでは30分かかります。A、B両方の管を使うと、何分で満水になりますか。

 

右矢印 和分の積より (20×30)/(20+30)= 12分

 

  その3(昭和女子中2018C)

 

AさんとBさんが鶴を折ります。2羽の鶴を折るのに、Aさんは3分、Bさんは4分かかりました。2人で協力して140羽折るのに□時間かかります。

 

右矢印 和分の積より (3×4)/(3+4)= 12/7 分

これは2人が2羽の鶴を折るのにかかる時間なので、140羽だとこの70倍で120分=2時間

 

ちなみに実際の受験生正答率19.0%(学校発表)と意外と低めに終わった問題です。

 

  その4(吉祥女子中2020第3回)

 

ある仕事をするのに、Aさん1人では6時間かかり、Aさん、Bさん2人では2時間40分かかります。この仕事をBさん1人でやると何時間何分かかりますか。

 

右矢印 Bさん1人でやると①時間かかるとする。

和分の積より (6×①)/(6+①)=2時間40分=8/3時間

いったん比の形にすると (6×①):(6+①)=8:3

内項の積と外項の積は等しい*ので 6×8+⑧=⑱ ⑩=48より①=4.8 答. 4時間48分

*これもくやしいけど覚えておきたい公式です。