だまし絵的な入試問題で脳を鍛える(その2) | 受験算数はきょうもおもしろい

2022年にちなんだ問題としてどんなものが出されるか予想しての対策も進んでいることでしょうが、作問者として作成しやすいシンプルな問題(それでいて受験生の差がつく問題)の一つに、次のような「リングつなぎ」(植木算)の問題があります。

 

下の図1のような輪を下の図2のように2021個並べると、はしからはしまでの長さは何㎝ですか。

(明大中野八王子2021)

 

 

 

 

 

 

 

右矢印 輪全体の形にはダマされず、輪の真ん中(直径5㎝部分)だけをじっと見る。

 

すると、輪の真ん中だけはピッタリつながっていることがわかる。

 

ということで、全体の長さは

  (左はしの輪の厚み)+(輪の真ん中の長さの和)+(右はしの輪の厚み)

という簡単な計算式で求められることがわかる。

  1㎝+5㎝×2021コ+1㎝=10107㎝ 完了

 

ほとんど5×2021の計算だけの問題なのですが、絵の方にまどわされたのか、正答率は合格者71%、不合格者38%と低めになっています(学校発表)。

 

この計算結果を丸暗記するのは実戦的ではない(同じ手順が通用しない類問もある)ので、現場で見たときにちゃんと真ん中の輪だけが浮かび上がるように脳を鍛えておきたい問題です。

 

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