考えを整理するための便利な方法のひとつに「二項対立」というアプローチがあります。
複雑なものごとでも、善と悪、具体と抽象、男と女、子どもと大人というように、A対Bに二分して比べようというものです。わかりやすく整理できるため、日常生活でも小論文入試でもビジネス社会でも政治の世界でも広く使われています。(詳細は下記記事などを参照ください。)
この背景にあるのは、人間にとって3つのものを比べることは難しいが、2つのものを比べることなら簡単だということ。
受験算数の問題でも比べるものが3つ出てくることがあり、わかりやすいように、これを2つずつで比べてみる(2回に分けて)というのが連比の仕組みです。
連比を使えば、難しそうに見える入試問題でもシンプルに整理して、正解への道筋を立てることが可能になります。たとえば次の問題。
「A、B、Cの3つのコップがあります。Aのコップいっぱいに入っている水を、空のBのコップに移すと、Aのコップの60%を移すことができます。Bのコップいっぱいに入っている水を、空のCのコップに移すと、Cのコップの80%を満たすことができます。このとき、Cのコップ一杯に入れた水を、空のAのコップに移すと、Aのコップの何%を満たすことができますか。」
(筑波大附2021)
Aのコップいっぱいに入っている水を、空のBのコップに移すと、Aのコップの60%を移すことができます
Aの大きさ:Bの大きさ=100:60
Bのコップいっぱいに入っている水を、空のCのコップに移すと、Cのコップの80%を満たすことができます
Bの大きさ:Cの大きさ=80:100
(※表現のしかたが最初のものとは違うため、比を逆にしないように注意)
共通する「Bの大きさ」を基準に連比に(比合わせ)すると
となる。Cのコップ一杯に入れた水を、空のAのコップに移すと、Aのコップの何%を満たすかという問いに注意して、答えは 75%
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