小森です。
いよいよ秋も深まり、紅葉が満喫できる季節になりましたね。
山の紅葉も綺麗ですが、金色に輝く銀杏並木も壮観で、散歩が楽しみになります。
銀杏並木で、視覚だけでなく、同時に味覚も楽しませてくれるのがギンナン
散策しながらギンナンを拾って、家で料理やおつまみで楽しむ人も多いのではないでしょうか。
焼いたり、揚げたり、蒸したりで、料理に一粒入っているだけでも、存分に秋を感じさせてくれますよね。
もちっとした独特の食感が美味しいギンナンですが、ギンナンは実ではなく、イチョウの種子。
外側の柔らかい部分は外種皮で、それを取りのぞくとお馴染みの固い殻であるギンナンの核が出てきます。
ギンナンとして食べられるのは、固い殻の中の仁といわれる部分です。ギンナンの木には、雄と雌があり、種子ができるのは雌の木だけです。
ギンナンは咳止めや痰を抑える漢方薬として利用されていますが、古くからのどの痛みや喘息、頻尿を改善する薬効があるといわれています。6歳以上の子供の夜尿症にもよく効くようです。
ちなみにイチョウの葉は、脳活性効果があって認知症に有効だというのは有名ですね。
またギンナンは、全体食として非常に優秀な食品の一つといわれています。
ギンナンの主成分は糖質・脂質・タンパク質で、良質なタンパク質なので、強精・強壮の効果があり、豊富なビタミンCは美肌効果、高酸化力のビタミンEやカロチンはアンチエイジング効果、ビタミンB群には疲労回復効果があります。
またミネラル(亜鉛・銅・鉄・カリウム・リン)も多く、とくにカリウムは高血圧の予防をしてくれます。
小さな粒の中に、嬉しい栄養がぎっしりと詰まっているんですね。
ギンナンはよく乾燥させて生でも食べることができますが、生で食べるより、炒ったり揚げたりした方が効果を発揮します。
ただギンナンは、一度にたくさん食べすぎると、嘔吐や下痢、めまいなどの中毒症状を起こすことがあるので、食べ過ぎに注意して、1日に10粒程度で、小さな子どもなら1~2粒の量に抑えて食べましょう。
またギンナンの難点といえば、悪臭ともいえるあの強烈な臭い。
銀杏並木でも、あの臭いがする時だけは、思わず鼻をつまんで即座に通り過ぎたくなりますよね。
実はあの悪臭の元は、ギンナンの皮にあります。
ギンナンの皮には、「酪酸」と「エナント酸」という成分が含まれていて、「酪酸」は人間の皮脂から出る汗臭さのような臭いで、「エナント酸」は腐った油のような腐敗臭を放ち、この2つが混ざり合うことで、強烈な臭いを発しています。
この悪臭は、ギンナンが安易に動物に食べ尽くされないように、また殻がとても硬いのも、仮に食べられたとしても消化されずに方々へ運ばれて、拡散していくためといわれています。
ギンナンの歴史は古く、3億年前には地球上に出現していて、ギンナンが大好物だった恐竜がもりもり食べながらフンと一緒に各地にばらまいたことで、世界中に広がったそうです。
氷河期に恐竜と一緒に絶滅しかけたものの、中国の一部で生き残ったイチョウが、強い生命力で繁殖して、再び世界に広がったようです。
ダーウィンが「生きた化石」と呼んだのも、そのためだそうで、発芽率100%ということもイチョウの強い生命力を示しています。
日本では、平安~室町時代あたりに、神社仏閣を中心に種がまかれ、広まったと言われています。
確かに日本の寺や神社には、樹齢が古く大きいイチョウの木をよく見かけますよね。
ちなみにギンナンの名前の由来は、中国で皇帝に献上されたとき、「アンズの種子に似た中身が真っ白な果物」、つまり「銀のアンズ」ということで「銀杏(ギンナン)」という名を賜ることになり、日本に伝わったようです。
もっとも手軽な食べ方は、封筒に入れてレンジでチンする方法です。殻をたたいて割れ目を入れて、紙の封筒にひとつまみの塩と一緒に入れて口を締め、電子レンジで1~3分加熱するだけです。1分くらいずつ焦げ目の具合を見ながら加熱すると、美味しくできますよ。
ギンナンは、9月頃から採れ始め、11月半ば位までが収穫期になります。
旬のギンナンの強い生命力にあやかりながら、秋の味覚を楽しむのも良いですね。
次回の食養生は、12月1日にUPします
それではまた!
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