小森です。
例年通りに台風に見舞われる時期ですが、何事にも取り組みやすく過ごしやすい、最高の季節になりましたね。
風邪にもウィルスにも強い身体を作っていきたい今回の食材は、柿です。
自然の甘味で美味しいのはもちろん、柿の木に朱色の柿が実る光景は、秋に心がなごむ日本を代表する風景の一つですよね。
柿&春菊
柿&ルッコラ
オリーブオイルと塩で味つけした柿のサラダが話題になったそうです。
スパークリングや白ワインと合いそうです
日本では縄文時代や弥生時代の遺跡から柿の種の化石が発掘されていて、今から3000年前には栽培が始まっていたようです。
江戸時代には次々と品種改良がなされ、今日本には1,000以上の種類があります。
先人たちの知恵で生まれた干し柿は、柿の皮をむき、干すことで渋みを甘味に変え、保存性を増した保存食ですよね。
ちなみに干し柿に吹く白い粉はカビではなく、浸出した果糖やブドウ糖が結晶したもの。
干し柿の甘さは砂糖より甘くなるので、先人たちのとても貴重な糖分だったのだと思います。
甘味が楽しめるフルーツとしてこの時期に身近な柿ですが、
「柿が赤くなると医者が青くなる」という有名な言葉どおり、その健康効果も実は優れものです。
まず特筆すべきが、ビタミンCが豊富であること。
柿1個につき110mgも含まれています。
レモンのビタミンC含有量は、およそ20mgですから、圧倒的に多く含まれていますよね。
1日に必要なビタミンC摂取量は100mgといわれているので、柿を1日1つ食べることで摂取でき、免疫力・抵抗力を高めて風の引きにくい体や美肌つくりに大いに役立ってくれます。
そしてもう一つ特徴的な柿の成分が、タンニン
タンニンは柿の渋み成分で、マクロファージを活性化させることで、免疫力を高めてくれます。
ガン予防をはじめ、最近ではインフルエンザウィルスなどのウィルス対策にもとても有効であることが報告されています。
こちらは報告はありませんが、新型コロナウィルスにも少しでも有効だと有難いですよね。
加えてタンニンには、血管を柔らかくし、血圧を下げる物質が含まれてもいます。
また柿は漢方医学では、肺に潤いを与えて、咳を抑えながら乾燥による呼吸器のトラブルを防ぎ、鼻やのどの粘膜を健やかに保つ効果や、熱を冷ます効果、胃を元気にする効果、アルコール分解作用、便秘予防効果があるとされています。
変わりどころでは柿のヘタが、漢方ではシャックリの薬として用いられていて、10個分のヘタを1合の水で煎じて1回飲ませると良いようです。
10月26日は柿の日だそうです。
柿が最も旬の時期であり、明治時代初期の俳人・正岡子規が、有名な句
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」
を書いた日ということが由来とのことですよ。
鮮度が落ちるとビタミンCが大きく減ってしまうので、新鮮な旬の柿を楽しみながら、風邪や寒さに対抗できる体作りをしていきましょう!
次回の食養生は、11月1日にアップします
それではまた!