MANNISH BOY -3ページ目

厭世

確かに生き物なんだ。
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商品でもある。
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乳を搾られたり、
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することもある。
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まだ子供だが、
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そんな幼さを保ったまま、
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もう諦めを知っているようでもある。


何か複雑で、面倒くさいことに、巻き込まれているような感覚がする。

見てみぬふりが苦手だから、そういうずうずうしさが嫌いだから、だから社会から距離を置いているのに、またやってくる。

訳知り顔で、親切な顔で、ささやかに引いたボーダーラインを、にやにやしなが引きなおす。

意図的に抜かれたピースを、通過するたび埋め込んで、囲い込む。

やらせておくさ、最後はぶっ壊せばいい。

そうすることで、また憂き世とのチャネルがなくなる。

西ノ川~天柱石

べったりと疲れが、全身にこびりついている。

しかも、雨だ。


行くのヤダなぁ、と思いながらだらだらと朝飯を摂り、準備をする。

雨は強くもならず、止むこともなく・・・結局行く。だったら、とっととでかけりゃいいのに。


相当疲れているようで、思うように身体が動かないよ。

雨の中で撮影をするのは、自分で立ち止まるきっかけを作っているのかな?


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雨に濡れる古道


西ノ川に絡みつくように道がある。

いくつもの滝が落ちる。


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雨に煙る流れ


複雑な地形に縦横無尽の道。

いつの頃からあるのだろうか?どうやってこの複雑な地形に見当をつけて、道を通したのだろうか?

杉林の中に忽然と現れる十字路。

ここで悪魔と契約できるのだろうか?


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クロスロードであいつと会えるのか


濡れた木橋、崩落、風倒木・・・気温が低いな、帰りたいな。

いつの間にか下ばかり見て歩いていた。

ただならぬ雰囲気に顔を上げる。

あいつか?


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ただの岩のはずだが・・・


ほっとするのと、がっかりするのと。

天柱石まできてしまった。夜明峠まで抜けてしまおう。


雨雲に閉ざされてはいても、夜明峠は明るいような気がする。安心感がある。

ここまで4時間もかかってしまった。なにやってんだよ。

八丁経由で帰ろう。八丁までは快適な下りだ。

だーっと下る、力を抜いてクネクネと歩く。下山は二時間半・・・。


久しぶりに湯之谷温泉にでも行こうと思ったのに、睡魔に引き止められて路肩で昼寝、起きたら夕方。

だめだ、帰ろう明日は畑仕事がある。

二箆山~雑誌山

また車中泊で山へ。


まずは二箆山(ふたつのやま)と雑誌山(ぞうしやま)という変換できなかったり、読みにくかったりする山。

この山がまた遠いのだ。

遠い上にぼんやりしていて道に迷い、登山口に到着するのがものすごく遅くなってしまった。

歩く前にそこそこ疲れた。

通帳の残高は常にマイナスだが、疲労は溜まるばかり、まさに潤沢である。


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1258,7mピーク付近のカラマツ


二箆山が美川村で、雑誌山は吾川村。

県境に並んだ山で、ヨラキレ山保安林管理道(また変な名前)で、それぞれアクセスできるはずだったが、ゲートが設けられて行き来ができない。

地形図を見るといけるじゃん、縦走できるじゃん、なんか楽しそう♪


歩き始めて30分ほどで、二箆山に到着してしまう。

間違いようのない尾根を通していくのだが、間伐材やイバラが邪魔をする。

ちょっと避けると、とんでもなく立派な作業道がある?!

しゃくなので山の中を歩く。


1258,7mピークは東の尾根に乗らないように注意して、南東へ屈曲する尾根にのる。

ずっと境界杭と境界線のテープがあり、時々山歩きの赤テープが見えるが、踏み跡は笹と藪の中に消えている。

黒滝峠からは登山道が出てくる。尾根の西を辿るトラバースから、主稜線の南側に回り込んだところから雑誌山に取り付く。なんだかまわりくどい道のつけ方だな。しかし、中津明神山への縦走路からの派生という意味では、やはり理にかなっているだろう。


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雑誌西山の取り付き、急登にイバラ・・・


時折、地鳴りのような不気味な音が響いてくる。夜から天気が崩れるので、遠雷かと思ったが、どうやら高知側にある鳥形山の発破のようだ。あまり気持ちのいいもんではない。


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稜線上は気持ちのいいブナ林だった


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中津明神山が見える


歩いてきたそれぞれのピークに、キティ山岳会の標識があった。同じ道をきっと歩いてきたんだろうな

。どこまで歩いたんだろうか?一度でいいから会ってみたい。


帰りにカラ池へ寄り道する。山懐に抱かれた湿原だ。

吾川村へと下る源頭に挟まれた凹地で、自然林に囲まれた素敵な場所だが、異界の入口のような不気味さもある。


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カラ池


帰路は往路で黒滝峠まで行く。ここから同高度を保ち、作業道をつないで登山口までトラバース。17時前に下山・・・迷うことはないとわかっていても、ちょっといやな時間帯だなぁ。


古岩屋温泉で汗を流し、石鎚山、西ノ川へ移動する。途中のコンビニでビールを買ってポックリ・・・。

清明

下見に行ってきた。


初日は国見山を南西尾根から。


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長い・・・まっすぐで長い・・・なんだこりゃ。

積雪期以外で初めて登ったよ。

山頂はさすがにいい眺め、でもかなり霞がかかっている。


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花の準備は足踏みだ。

芽吹いたはいいが、寒さのあまり戸惑っているようだ。


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シコクブシの芽吹き


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落葉を押しのけ背伸びするヤブカンゾウ


枯葉と同化するようにカタクリの葉も展開している。

が、うんざりするほど長い・・・下山も長い・・・。


下山後、愛媛に移動する。

途中で気になる温泉の看板を見つける。

奥小歩危温泉。

誇らしげにテンカラをくるくる回して誘っている。

行くしかないだろう。

国道から7kmほど脇道を遡る・・・。

営業していない。

ぶっ殺そうにも相手がいないので、黙って空を見上げる。


塩塚峰に抜ける道沿いに、前から気になっていた温泉があった。

賢見温泉。

居酒屋っぽいところが温泉受付?

油断しきっている店員たち、虚をつかればたばたする。

ここで入浴料を支払い、再び外へ誘導される。

怪しい通路の奥の階段を降りろと言う。

言われるがままに進むと、胡散臭いマンション風の扉・・・。

仰々しい金メッキの装飾にたじろぐ。

が、中は普通の脱衣所だった。

油断した・・・。

温泉の扉を開く・・・・・・・・・・・魚くさい・・・鯉の泳ぐ池の臭い?・・・・・熱帯魚店の臭い?・・・・

拒絶する意識、しかし冷え切った身体は、脳の命令を無視して自らを浴槽へ沈めてしまったのだ。

この徳島の悪意に満ちた陰謀に完敗である。

屈辱、陵辱・・・甘美な響き。


うっとりとした気分で塩塚峰へ向かう。

デスラーが星空撮影会を兼ねて、そこで車中泊をしようというのだ。

とっぷり日も落ち、谷あいの道に車を走らせる、とスカイラインが真っ赤に燃えている?!


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なんと塩塚峰の野焼きだった。

テレビでしか見たことないし、よく人が死んでるし、人ごみ嫌いなのでマイントピア別子へと移動し眠る。


翌日は中七番から平家平~冠山~ナスビ平~中七番の周回コース。

沢沿いの道から、鉄塔保線道、そして稜線へ。


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撮影中のデスラー


美しい笹原は強風が運ぶ雲滝に見え隠れする。


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足下には樹木から落ちた霧氷が散乱する。


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わずかな雲間から届く日差し。


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何を求める。


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カタクリが槍のように葉を尖らせて地面を突き破る。


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高度を下げると春だった。

清浄明潔な春がそこにあった。

稜線の上で、消え入りそうな冬の残滓を思い、少し切なくなった。

イチリンソウの咲く頃

はげちゃんとカメラを持って散歩。

桜は見ごろ。


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桜の間からウマノアシガタ。


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山の小さな沢沿いに


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イチリンソウが咲く。


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ジロウボウエンゴサクとヤブキリの幼虫だろうか?


雨上がりに近所の山をうろつく。

ただ花を見て、鳥を探し、昆虫を目で追う。