ということで、前日の日曜日の昼過ぎには三重県入りして、前回は投げられなかった「津グランドボウル」と、今回の会場になっている「鈴鹿グランドボウル」を訪問。

 

 

 

 「鈴鹿グランドボウル」は、「春高」の最中こそ「貸切」にして通常営業は休止するようだが、初日の火曜日は19時頃から、二日目の春分の日は13時頃から一般営業する、とのこと。
 前日の月曜日は、大会のオイルパターンでメンテナンスしたレーンを「前日練習用」として用意する、とあるが、これが全レーンかどうかは不明だし、もしかすると「参加選手の練習」が優先になる可能性もある。
 このような諸々の制約を考慮すると、日曜日のうちに寄っておいたほうがいいだろう、と判断した。前回の津でも、前日の14時までなら投げられたようだが、テーリングの有効時間帯と重なってしまうため、結局NGになってしまった経験もあり、今回は計画的に対応した。


 月曜日の朝は、ホテルの朝食が6時半からだというので、早目に済ませる。

 

 

 この日から同じホテルに2泊する予定の長男達は、朝食付プランで予約することは織り込み済みだったが、普段の筆者なら「素泊まり」を選んでいた可能性もある。実際、前回の「学校対抗」の際にはそうした。
 しかし、今回のホテルは朝食相当の「差額」が1K円を切っており、さほど高くないので朝食付にした。それでも3泊して(全て込々で)「2万円ポッキリ」だから悪くない。そう言えば、現在はかなりの「円安」なので、2万円は約132ドル(この数字を見ると筆者ですら「安っ!」と言ってしまいそう)ではあるが、特に観光的なものが近くにある訳でもないからか、所謂「インバウンド」客は見かけなかった。鈴鹿なので「F1」とかやっている時期なら違うかも知れないが。

 朝食を済ませ、7時半に出発する。
 亀山までは、国道1号と25号の「重複区間」でもある「亀山バイパス」を経由。ここに入るまでが、月曜日の朝ということもあってか結構な渋滞だったが、バイパスに入ってからは順調。
 亀山からは「名阪国道」へと進む。この「名阪国道」は、国道25号線の「本道」ではあるが、自動車専用道路であり、実質「高速道路」並みにも関わらず、供用開始以後ずっと通行料は無料らしい。
 そのまま伊賀を走り抜け、名張川を渡って奈良県に入った五月橋ICから一般道に出る。
 この「一般道」も国道25号として指定された道路ではあるのだが、本道が自動車専用道路のために指定されているだけらしく、まさに「酷道」と呼んでいい道路だった。
 まさか2桁国道に、これほどの「酷道」区間があろうとは思わなかったが、これは、この後に続く「序章」に過ぎなかったことに追々気付く羽目になる。

 

 

 1kmほど進んだところで、左に分かれる県道80号・奈良名張線に入ればいいらしく、そこから数百メートルで45059:波多野郵便局に到着した。

 この県道をそのまま3kmほど進むと、名張市に入るらしく、まさに「県境の里」と言えるような場所である。
 所在地としては、山辺郡山添村になるのだが、山添村は添上郡東山村と山辺郡波多野村・豊原村が合併して誕生した村で、「山辺郡と添上郡」という組合せから命名されたらしい。その旧3村に1局ずつ郵便局があるようだが、豊原局だけは無集配らしい。波多野局と東山局で、旧郡ごとに郵便区を分けて受け持っているようだ。

 思った以上に「名阪国道」の威力が効いて、8時半過ぎには到着してしまった。

 局前には「福祉バス」というものが来ているらしく、村営のようだ。

 しかし、この便数では、とてもテーリングに使えたものではない。


 波多野局が集配局のため、ATMは8時45分から稼働しており、ここで「軍資金」を生活用口座から引き出しておく。まあ、それがテーリング用口座に移されるだけ、と言えばそれまでではあるが。

 オープン直後に、通算7,264局所目となるテーリングも済ませ、波多野局を後にする。
 「酷道」25号に戻り、更に進むと村役場付近で山添ICへと繋がる道(実はこれも県道80号)が分かれるが、名阪国道に入ったら次の神野口ICでは行き過ぎになってしまうため、そのまま「酷道」を往く。

 暫く走ると、45107:豊原郵便局に辿り着いた。

 

 

 しかし、途轍もなくビビッドな赤い局舎に唖然としてしまう。

 これまでに7千局を軽く超える郵便局を訪問してきたが、施設内でもない単独局舎の、それも直営局では類を見ないカラーリングだ。
 世代的には「通常の3倍の速度」で処理されるんかいな、と思ってしまったりもするのだが。
 なお、局名ゴム印にヒツジのようなイラストが入っており、尋ねたところ、この先の神野山の山麓に「めえめえ牧場(まきば)」というものがあり、そこにいるヒツジを取り入れたとのこと。

 更に進んで、件の神野口ICの傍で県道へ入り、後はナビを頼りに北西へと向かう。

 

 

 45012:東山郵便局には、来客用駐車場と思しきスペースがなく、ちょっと難儀する。

 この局の前を通る道も、結果的に県道80号らしい。

 旧添上郡東山村のエリアは、この東山局で集配を受け持っているようだが、最初に寄った波多野局は、旧山辺郡波多野村・豊原村だけではなく、旧添上郡月ヶ瀬村(現在は奈良市)も受け持っているようだ。
 実は、3村が合併して山添村が誕生して1年も経たず、一部地域が分離して隣接していた添上郡田原村に編入され、その翌日には田原村が奈良市に編入された、という歴史がある。
 そして山添村自体も、その後の「平成の大合併」の際に、月ヶ瀬村や山辺郡都祁村とともに奈良市との合併を検討していたが、住民投票の結果、反対多数となって単独村政の継続を選択。ところが、後に翻意し、合併協議への復帰を望んだものの、他の3市村が議会付議をせず、4市村での合併とはならないまま現在に至る。
 そのため、奈良県の北東部にぽつんと一つだけ「村」が残っているような形になっている。前述したように月ヶ瀬村が奈良市になったことで、山添村は三重県とは接しているものの、京都府とは接していない。

 京都府へと入るためには、この月ヶ瀬村だったエリアを通らねばならず、3ポイント局ではないけれど、45092:月ヶ瀬郵便局にも寄って行くことにする。

 

 

 局名のゴム印が3種類あると言い、前後に「梅の花」を配したもの、月ヶ瀬のご当地ゆるキャラ「梅キング」と「ウメリン」を配したもの、末尾に何やら梅らしきものが入ったものが用意されていた。
 これらを適当に家族名義の口座にも振り分け、一通り捺しておいてもらうことにする。

 丁度「梅」の時季らしく、「梅まつり」の幟がそこかしこに立っている。
 月ヶ瀬は、関西屈指の梅林として知られた地で、たまたまとはいえいい時季に来たかな、とは思う。
 そう言えば、伊豆市にも「月ケ瀬」という地名があり、そちらも梅の名所だったような。
 ただし、どうやら奈良の「月ヶ瀬」は小さい「ヶ」、伊豆の「月ケ瀬」は大きい「ケ」が正しいらしい。ややこしいのだが、関西本線の月ケ瀬口駅は大きい「ケ」であるだけではなく「月ヶ瀬」が奈良県なのに対して、月ケ瀬口駅は京都府になる。

 月ヶ瀬局の前を通る道は、県道82号・上野南山城線だが、局の正面から分岐する県道753号へと入って行くことになる。
 82号、753号とも、奈良県・京都府に跨る県道だが、753号については、奈良県側は「月瀬今山線」、京都府側は「月ヶ瀬今山線」と表記が割れている。
 旧・月ヶ瀬村は、かつて月瀬村(つきせむら)と称していたが、読みとしては「揺れ」があったようで、「月瀬」「月ヶ瀬」「月ノ瀬」など多岐にわたる。それもあって村名を改称し「月ヶ瀬村(つきがせむら)」としたらしい。
 しかし、その月瀬村成立時に合併された1村にも「月瀬村」があったためか、現在でも「月瀬(つきせ)」という字名は残っているようで、「(奈良市)月ヶ瀬月瀬(つきがせつきせ)」という標識も見かけた。
 更に、月ヶ瀬局までの途中、県道4号・笠置山添線と県道82号の重複区間に「月ノ瀬」というバス停もあったことを確認している。このバス停の所在地は、まさにその「月ヶ瀬月瀬」なのだ。

 その県道改め府道753号で月ケ瀬口駅の下を潜り抜け、今山交差点で国道163号に突き当たるのだが、そこまでの途中に44240:京都高山郵便局があった。

 

 

 名前だけ見れば京都市内にあるかのような局名だが、ここは相楽郡南山城村の山間ど真ん中だ。


 「お茶の里」というフレーズと「お茶の葉と茶山」を模したようなイラストが前置された緑色の局名ゴム印があるようで、「これでいいですか?」と訊かれ、それで、とお願いする。

 ともかくこれで、「45」に続き、「44」マルチも確保。
 ここから、京都府でのテーリングに切り替わる。

 (つづく)