長男が「全国高等学校ボウリング選手権(通称:春高ボウリング)・三重大会」に出場することになり,会場である「鈴鹿グランドボウル」の近くで宿泊することになった.

 


 昨年末にも「全国高等学校対抗ボウリング選手権大会」(通称「学校対抗」またチーム戦のため「ボウリングの甲子園」とも称される)で「津グランドボウル」に来たばかりなのだが,名前も紛らわしいこの二つの大会(前者は「全日本ボウリング協会」主催で後者は「全国高等学校体育連盟のボウリング専門部」主催)が,ともに三重県で開催されるのは,単なる偶然らしい.

 


 「春高ボウリング」は,例年「持ち回り」のように開催都道府県が変わっているのだが,「学校対抗」は,何年かは続けて同じ会場を使用する傾向がある.
 今年度の「学校対抗」の会場となった「津グランドボウル」は,開催直後に全56レーンのうち半分に当たる28レーンを「閉鎖」して縮小してしまったため,来年度からは規模的に開催が無理になったため,次回は京都府に移るらしい.
 しかし,少なくとも50レーン以上の規模がないと難しいと思われるのだが,京都府内でその規模に達する「JBC(全日本ボウリング協会)公認競技場」としては,48レーンの「MKボウル上賀茂」くらいしかない(厳密には「ラウンドワン」にも48レーンの店舗が2つあるようだが,この手の「大会」をラウンドワンでやるのは聞いたことがない)が,それでも若干「寸足らず」な感がある.

 それはさておき,三重県がボウリングにおいて「日本一」と言える項目がある.

 それは「1回あたりプレイするゲーム数」.

 最近,これが都道府県別などに集計できる統計調査がないため,ちょっと古いデータではあるのだが,2004年に実施された「平成16年特定サービス産業実態調査」では「利用人数」と「総ゲーム数」の項目について,都道府県と政令指定都市での数値が取れるため,これで見てみる.

 これによれば,全国平均値は「2.6311ゲーム」となるのだが,三重県は何と「4.1966ゲーム」というとんでもない高値を示している.
 2位の京都府が「3.2983ゲーム」,3位高知県が「2.8604ゲーム」ということを見ても,如何に突出しているか,という数値が現れた.ちなみに最下位は熊本県で「1.9016ゲーム」だが,平均2ゲームを切るのは熊本県だけである.
 驚くのが,3位に入った高知県は,現在全国で最もボウリング場の少ない県で,2箇所しかないということ.ただし,この調査当時には6箇所あったらしいが,それでも当時全国で「下から2番目」(最下位は徳島県の5箇所で平均は「2.4661ゲーム」)だった.

 これは,三重県庁の統計担当部署がウェブサイトに連載しているコラムでも取り上げられている.

 

 https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/25638002634.htm

 「学校対抗」の会場が,三重県から京都府へ,という流れと無関係ではないのかも知れない.
 ちなみに,これを京都市に限って見た場合には「3.6241ゲーム」と跳ね上がり,政令市の中では最大値であるが,それでも三重県の「平均4ゲーム超」には及ばない.

 ちなみに,東京都は「2.7299ゲーム」で10位,神奈川県は「2.7064ゲーム」で12位である.23区に限定すると「2.7120ゲーム」と若干下がり,横浜市は「2.6708ゲーム」,川崎市は「2.8267ゲーム」.いずれも全国平均値は上回っている.

 さて,今回も長男の医療処置の関係もあり,同じホテルに宿泊することにした.
 前回の「学校対抗」では,日程の関係からボールなどは「ゆうパック」で運んだのだが,今回は日程の前後が日曜や祝日と重なるので,であれば,と自家用1号車で運んでしまうことにした.
 長男は,部活の一環という位置付けのため,大会前日の月曜日に顧問の先生達と新幹線や電車で現地入りして「前日練習」をする.
 しかしこちらは,大会当日の火曜日に出発したのでは間に合わない.であれば,日曜日に「先乗り」しておいたほうが,何かと都合がいいのでは,と考えた.

 そのため,長男達は2泊だが,こちらは3泊することになった.
 3泊して朝食を付けても,税等込20K円ぽっきり,と比較的安かったのは助かる.

 ホテルの場所としては,近鉄鈴鹿線の終点・平田町駅の真向かいという立地は申し分ない.


 ただし,今回の「春高ボウリング」の会場である「鈴鹿グランドボウル」の最寄駅は,一つ手前の三日町駅.とは言え,そちら側には宿泊施設が見当たらず,三日町駅から「鈴鹿グランドボウル」までも1kmほど歩くことにはなる.
 平田町駅や,この「鈴鹿ストーリアホテル」から「鈴鹿グランドボウル」までは,約2km弱.歩けないことはないが,少々遠い.しかし,わざわざ一駅(しかも本数の少ない)電車に乗り,更に1km歩くことを考えれば,どっちもどっちと言えよう.

 前日練習の際には,こちらも「活動中」だったため,名古屋から近鉄を伊勢若松で乗り継いで三日町駅から歩き,終了後も三日町駅から平田町駅まで電車に乗ったらしいが,大会当日はホテルからグランドボウルまで,自家用1号車で「送迎」することに.
 二日目終了後は,そのまま帰るので,グランドボウルから(鈴鹿線は本数が少ないが名古屋線の急行にも直接乗れる)伊勢若松駅まで送ったが,ボール7個(長男の5個+筆者の左右各1個)と4人分の荷物があったので,積み込むには一工夫が必要だった.

 平田町駅の周辺には他にも幾つかホテルがあるのだが,グランドボウルまで歩くとなった場合でも,このストーリアホテルより大幅に近い,という場所にはない(「ホテルキャッスルイン鈴鹿」と「スーパーホテル鈴鹿」が若干グランドボウル寄りではあるが,道なりで見ると五十歩百歩である)ので,駅からの距離を勘案すると,長男の高校側がここを選択したのは自然な流れだったと思われる.

 駐車場の収容台数は多目だが,滞在2日目の月曜日の夜に戻った時に満車寸前になっていた.宿泊者専用という訳ではなく,普通のコインパーキング的にも使用でき,駅に近いため,一般利用者がまだ使っていて,かつ宿泊者のチェックインが進んでいるような時間帯だと,混み合うこともあるのかも知れない.
 また,構造が「ウナギの寝床」のようになっていて,ホテルの「裏側」は入口専用.前面道路の県道54号・鈴鹿環状線側には入口・出口が併設されている.
 事前の「下調べ」では,この裏側の入口しか見付けられなかった(まさか中で繋がって県道側にも出られるとは思わなかった)ため,アプローチに際して「何処を通ればいいんだ,これ?」となってしまった(実際,途中でかなり細い路地を通り抜ける羽目になった)が,現地に行ってみれば「何だ……こっち(県道側)から入りゃいいじゃん」という感じだった.
 宿泊者は無料で利用できるが,滞在中に出入りする際には,その都度フロントに言えば「サービス券」を渡してくれる.

 部屋は,料金の割にはやや広目に思えた.

 普通,この手の所謂ビジネスホテルの場合は,所狭しとベッドやデスクなどが詰め込まれていて,「通路」に当たる「床」が見える部分が狭苦しくなることが多いのだが,ここはその「床」が割合広く感じた.


 入口側(ホテル廊下側)から見た「幅」は普通なのかも知れないが,「奥行」がやや長いようで,そこを利用してベッドを「横方向」ではなく「縦方向」に配置し,デスク類との間隔を確保している感じだ.


 それでも余裕ができた「奥行」を利用して,窓際に小テーブルと2つの椅子まで置いてある.シングルルームなのに,こんなに椅子があってどうするのか,という気もするが,数人で来て各自がシングルルームに泊まったとしても,誰かの部屋でちょっとした「宴」くらいはできそうだ.実際にはどうかわからない(聞かなかった)が,例えば今回のように大会に参加するために来たとして,(今回は長男の個人戦だけだからあまり必要はないかも知れないが)作戦会議的な「ミーティング」をするにも良さ気である.

 入口の扉からデスクまでの間のバスルーム前は一際広い.


 これは,デスクとベッドの間の「通路」部分の幅にデスクの「奥行」分が加わることによるのだが,たまたま割り当てられた部屋が「角部屋」だったため,この部分にも窓(方角的には「南」になる)があることも視覚的に影響しているかも知れない.
 多くのビジネスホテルでは,角部屋であっても特に窓が多く設けられてはいないことがほとんどだが,何か少し「アップグレード」された部屋に泊まったような感じだ.まあ,3連泊もするのでU/Gされたのかも知れないが.
 ただしこの窓,バスルームの出口の真正面なので,カーテンを開放すると「丸見え」の危険性がないでもない.

 

 ベッドの設置方向が,前述したように部屋の奥行方向に対して並行しているのだが,幅もそれなりにある感じ.



 そのバスルームも割合と広目で,「バス・トイレ別」ではないものの,浴槽とトイレの「間隔」もちょっと広いか.


 浴槽も,この手のビジネスホテルにしてはゆとりのある大きさで,足を伸ばしてゆっくりと入れた(身長190cmとかだとそうもいかないだろうけど).

 なお,1階には男性用のみだが「大浴場」があった.


 入ってはいないのだが,それほど大きくはないらしい.口コミなどを見ると,洗い場も2人分しかない,などという情報もあり,客室の浴槽が大きいこともあって,それほどニーズは感じなかった.


 その手前に「リラクゼーション/ビジネスルーム」という部屋があり,マッサージチェアやパソコンが設置されたデスクなどがある.漫画もあるようだ.


 それぞれ1人分しかないのが残念だが,このホテル,結構色々なニーズに応えようとしていると感じられる.

 朝食は所謂「バイキング」形式だが,料金的には(宿泊プランの差額から)1K円を切っていると思われる.


 メニューはそれほど多くはないものの,3泊したが日替りのおかずも毎日複数用意され,必要充分だと思う.

 部活の顧問は,この鈴鹿が会場になった大会は初めてなので,場所だけで宿を選んだ,とのこと.
 同じ神奈川県から出場の他校の顧問は「経費精算が面倒なので『夕食付』(勿論朝食も付いている)の所にした」とのことだが,平田町駅から見ると,グランドボウルとは反対方向に少々離れている.

 夕食という観点で見た場合,一見,終着駅の周辺だから,ホテルで夕食の用意がなくても困らないだろう,というのは早計だった.
 実は,グランドボウルに近付くと,そこそこの飲食店があるのだが,平田町駅の周辺は,所謂「飲み屋」系がほとんど.我々は,それでも困らないのだが,高校生の長男を含む一行は,ちょっと困る.
 結局,西に1kmほど離れた「イオンモール」内で済ませたらしい.因みにそのイオンモールの隣に,何と「イオンタウン」まであるのが「謎」過ぎる.いくらイオンが三重県発祥だとはいえ,これはやり過ぎではなかろうか.
 月曜日は,徒歩で往復したらしいが,大会初日の火曜日は,競技終了後,自家用1号車でイオンモールまで送り届けた.ただし,こちらはその足で,そのまま隣のイオンタウン内にある「アピナボウル鈴鹿店」に行ったので,ホテルへの戻りまで送るのは無理だった.
 イオンモールの向かい側には「アクロスプラザ鈴鹿」というショッピングモールもある.
 なお,平田町駅から少し東(グランドボウル方向)へ進むと,「鈴鹿ハンターショッピングセンター」というものもあるようだが,飲食店はかなり限られている.

 また,平田町駅の周辺にはコンビニエンスストアも少なく,「駅に近付くほど何にもなくなる」という,あまり他に類を見ないような「残念な終着駅」になってしまっているようだ.

 とまあ,ちょっと残念な環境にありながら,ホテルとしてはかなりリーズナブルで使い勝手もいいと言えよう.