「人も馬も元気に」馬産地北海道&海外4カ国で研修
![]() |
「楽しく!」と色紙に記した田中勝師(撮影・丹羽敏通) |
調教師になってもカッチースマイルは変わらない。5日、新規開業した田中勝春師(54)は笑顔の船出だ。
4日に定年解散した宗像厩舎、石毛厩舎のスタッフを受け入れ、12馬房からスタートを切る。
田中勝師は「朝、早起きは変わらない。
眠いねえ。
(スタッフは)ほとんどみんな顔なじみだから。
初日から気を付けて、と話しました」と笑みを絶やさなかった。
1年間の技術調教師期間中には北海道の牧場研修をはじめ、海外でも見聞を広げた。
足を運んだ国はドバイ、香港、英国、アイルランドの4カ国。
英国では10、11年エリザベス女王杯連覇などG1・5勝馬スノーフェアリーを育てたダンロップ厩舎を訪れ、調教にも騎乗。
厩舎運営について学んだ。
「やっぱりしつけの部分は違うよね」。
騎手時代の経験も踏まえ、全ての知識を管理馬に注ぎ込む。
初陣は8日、中山12R(1勝クラス、芝1600メートル)に出走するデイジー(牝4)となる見込みだ。
厩舎服には親交のあった宗像厩舎の紺色、石毛厩舎のピンクといった厩舎カラーを取り入れ、背中には大きく「HIGH TAIL」と文字を入れた。
馬が元気な時は尻尾が跳ねるしぐさをすることから、「人も馬も元気に」との願いを込めたという。
「無事に、というのは当たり前の話。
その上で結果が出れば。まずは1勝」と田中勝師。
再び笑顔を届ける日々が始まった。
【松田直樹】
2025年3月5日16時49分
(日刊スポーツ)
実質、宗像厩舎が引退後に動き出すと思っていた田中勝春厩舎だが、のんびりしていた感はあるが、勝春らしい思想はあり、近年デビューする調教師の中では最も台風の眼に成り得る調教師でもある
4~5歳で街競馬のレースに出場し、日高・浦河のレースに出場し、賞金稼ぎをしていたが、中学生に成ると中村畜産(今のKIファーム)で競走馬のトレーニングを手伝い、末はジョッキーか調教師かと騒がれた天童も、子供の頃からの腰痛に悩まされ、デビュー初年度でリタイアも考えた勝春が、よくぞここまで来れたものだと感心させられる
勝春の人柄から先輩に可愛がられる所が有り、茶目っ気の多い所からも「しょうがないなぁ…」で済まされる事が多く、後輩たちの面倒見が良い事から、親分肌も有り何かと胡散臭い話も耳にしたものである
調教師とも成れば、全てが自分でまかない責任も被る訳だが、勝春の性格からして調教師は苦にならない筈だし、兎も角各環境面で恵まれており、馬主探しも苦労はしないだろうし、ガキの頃からの絆は深く初年度からどんな活躍を見せてくれるか、本当に楽しみである
確かに勝春に取っていろんな恩師がこの世を去ったが、これからは誰のために恩師に成るか成れるかが問われる訳で、浦河の太陽より、浦河の星に成って欲しいものだぜよ